件名 またメールが届きました 毛利


近藤宗近先生

毛利真琴です。
先ほどのメール、文章の頭文字をとって読むということすら思いつきませんでした。
私はぼんやりしすぎていますね。近藤先生に頼りっぱなしで申し訳ございません。
「今つかまってる死ぬ前に来て☆」の☆マークはやはり欲しいと読むべきなのでしょうね。

私にも伊藤ほのかさんが書いたとは思えないところがあります。
『伊藤家のメモリアル』から抜き出した要約文にしては、捉え方がちぐはぐなようです。
作家本人がこのような曲解した文章を書くでしょうか?
もし伊藤さん本人が送ってきたメールではないとしたら、誰がなんのために送ってきたのでしょうか?

追記しております。
ご意見を伺う前に畳みかけるようで恐縮ですが、またメールが届きました。
これも違和感だらけの内容ですが、取り急ぎお目に掛けたいと思います。
本当に助けが必要だとしたら、もう時間が経ちすぎているかもしれないと思うのです。
そうでなくすべてのメールが意味のないものだったのかとも。どちらとも判断できかねます。
そのうえ、今回のメールはもう全然伊藤さんのものとは思えなくて、混乱しております。
ご一読いただき、ご意見たまわれば幸いです。

毛利真琴

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ノベマ!運営局
毛利真琴様

お世話になっております、伊藤ほのかです。
何度もご連絡いただきながら返信が遅れ申し訳ございませんでした。
当方のスマートフォンとタブレットが同時に不具合を起こしておりました。
いただいたメールはかろうじて読むことが出来ており、なんとか返信をと試みましたがすべて送信失敗いたしておりました。

さて。
お問い合わせいただきましたキャラクター小説コンテスト作品集への収録のお声がけ、ありがとうございます。
貴賞受賞作の掲載を予定されているとのこと、拙作も視野に入れていただき嬉しい限りです。
ですが、『伊藤家のメモリアル』は私にとって最上の作品とは言えません。
じつは現在、新作を執筆しております。この作品は私の人生最大の傑作と自負できるものに仕上がっております。
作品集への収録は受賞作品ではなく、私の渾身の新作をお使い願えないでしょうか。
わがままを申し上げていることは重々承知いたしております。
それでも受賞作品集という素晴らしい書籍にふさわしいのは私の新作であると胸を張る次第です。
どうぞお聞き入れくださりたく、お願い申し上げます。

伊藤ほのか 拝