死んでもいいと思った。
 世界は私を必要としていないのだと思ったから。
 死んではならないと思った。
 僕を大切にしてくれる人がまだこの世界にいると知ったから。
 高校二年の秋。
 そろそろ受験期に入る頃だと学年中がピリつきだした。
 まだその実感はないが、もうすぐ私たちも受験生になるのだ。
 私は、高校生らしいことをやれているだろうか。
 僕は、高校生らしいことをやれていただろうか。
 世界は醜い。
 世界は美しい。
 そして人生は、この上なく難しい。