第八話 カブト初めてのデート
オレは今、猛烈に悩んでいる。新藤と両思いだと分かったあの日の帰り際、また2人で出かけようという話になった。すると新藤が、
「カブトが好きなことも知りたい。そのときは、カブトが好きなことをしよう」
と言ったので、分かった!と答えたのはいいのだが……家に帰って気づいた。オレにはそんなに好きなものや行きたい場所なんてないことに。
「カブト、なんか昨日までとは違う雰囲気で変な顔してるけど大丈夫か?」
自分の席で眉間に皺を寄せて動かないでいるオレに一朗が話しかけてきた。
「一朗!昨日はありがとう!昨日までの心配事は無事に終わったんだけど、今日は別の考え事しててさ」
「次から次へと忙しいんだな」
一朗は優しく呆れて様子で笑った。
「あ!一朗!オレの好きなものってなにがあるか分かるか?」
昔からの友人である一朗なら、オレが気づいていないオレの好きなものを教えてくれるかもしれないと期待を込めて聞いてみた。
「カブトが好きなもの?アイス好きだよな?」
「アイス好きだけど、そういうんじゃなくって、なんかこう趣味的なものとか?」
すぐに答えが返ってくるかと思ったら、う〜んと言って一朗は悩み始めた。
「いっつもくだらない話はしてるけど、好きなものをやろうぜってなったりしないよなー。スマホゲームも気に入ってるのはあるけど、そこまでだし、改めて聞かれると知らねえな。くだらない話が好きなんじゃない?」
「そんな…オレって…」
「好きなものがないわけじゃないと思うぞ。オレとか他のやつらと話しててもカブト楽しそうだし。むしろ、なんでも楽しめるイメージあるから、それってすごいことだろ?好き!とかっていちいち気にしてなかっただけで、お前は毎日好きなものに囲まれて生きている、可能性もある!」
落ち込みそうになったオレをみて、一朗が慌てて付け足した。
「そ、そうだな、考えすぎかも!ありがとう一朗!」
スッキリした気はしたが、じゃあ新藤とどこに行けばいいのかという問題は解決できないまま、時間はどんどん過ぎていった。
約束の日、待ち合わせ場所に早めに着いたオレは、なかなか進まない時計を見ながら新藤を待った。今日行く場所、きっと大丈夫だろう。この一週間頭を悩まし、スマホを酷使し、今日の日を迎えた。
「カブトー!お待たせー!」
全然待ってないと聞いたことのあるセリフを伝え、さっそく予定していた場所へ向かった。
「写真展じゃん!カブトって、写真好きだったんだ。いつも真剣に撮ってくれるなあって思ってたから、納得だな」
『田中太郎写真展』オレが今日の行き先をこの展覧会に決めたのは、昨日のことだった。
「いや、特に写真好きとかじゃなくって。新藤に、オレの好きなもの知りたいって言われて考えたんだけど、オレ紹介するほど好きなものって思い浮かばなくってさ。一朗とか母さんにも聞いてみたけど案外思いつかなくて。それで、新藤に会って写真をとるようになって、それには興味出てきてて。調べたらこの人、自然の写真撮ってて、虫の写真もあるみたいだから、いいかもって思ってここにしたんだ」
思っていたことを正直に伝えた。
「そうだったんだ。なんかすごく悩ませちゃったみたいでごめんな。オレさ、カブトのこと全然知らないから、色んなこと知りたい!って思っちゃって、ああ言ったけど。あ、カブト、おにぎり好き?」
「え、好きだけど」
「へへーん!こういうことも知りたい!カブトはおにぎりが好き!だからさ、あんまり難しく考えないでいいよ。一緒に過ごせるだけで嬉しいしさ」
そう言う新藤の笑顔に胸を鷲掴みされたオレは、1人で悩まずに、新藤に言えばよかったと悔いた。
「次からは、こんなときは一緒に考えるのもアリだな」
「そうだよ!一緒に考えよう!でも、この写真展はおもしろそう。見つけてくれてありがとう。さっそく入ろうか」
中に入ると色んな場所で撮られた植物や木や虫なんかの写真がズラッと並べられていて、ここは建物の中ではなくて、森の中なんじゃないかと錯覚するくらい、緑で埋め尽くされていた。その森の中を2人で並んで見て回った。珍しい虫の写真もあれば、馴染みのある虫の写真もあって、どの虫も活き活きとした様子が撮られていた。陽の光の明るさを再現したコーナーや、木漏れ日をイメージした場所など、飾られているのは写真だけだが、そこから音や匂いや温度なんかも感じられるのでは?と思うほど、臨場感のあるディスプレイだった。
鬱蒼とした森を再現したのか薄暗いコーナーに入ったとき、新藤がオレの手を握ってきた。ビックリして新藤の方を見ると
「薄暗いし、誰もみてないし、いいよね」
と小声で言った。オレも握り返し、その間だけ、2人で手を繋いで展示を見回った。
「もうこんな時間だ!結構見入っちゃったもんな。でも素晴らしいい展示だった。カブト、連れてきてくれてありがとう」
気づくと2時間ほど経っていたので驚いた。新藤といるといつも時間があっという間だ。
「このあとどこ行く?」
と聞かれ、ここ以外何の計画も立てていなかったことに気づいた。焦ったオレを見越したように、
「一緒に考えよう」
と新藤が優しく言った。
「そういえば、オレんち割と近いんだよ!カブト、くる?」
家?!とも思ったが、変に断るのも悪いし、普通に行ってみたいのもあって、新藤の家に行くことになった。
新藤の家は電車に乗って20分くらいのところで、本当に近かった。
「ただいまー!カブトも連れてきたよー」
「おかえりなさい。ちょっと!翔樹!カブトくん連れてくるなら前もって連絡してよ!そしたらなんかおいしいの用意したのに!カブトくん、いらっしゃい」
「大丈夫だよ。自分たちでお菓子も買ってきたし。カブト、入って入って」
「お、おじゃまします。水森カブトです」
2人の流れるようなやりとりに圧倒されて、控えめなあいさつをして家の中に入った。
「カブトくん、初めまして。翔樹の母です。いつも翔樹がお世話になってます。この子、高校になってから学校楽しそうでね。仲良くしてやってね」
「いいからいいから。オレたち部屋にいるからね!飲み物取ってくるから、カブトは先に入ってて。そこの右の部屋!」
一足先に新藤の部屋に入ると、予想通りというか、虫の写真がキレイに飾られていたり、虫に関する本が並んでいたりしていた。
「あんまりジロジロみられると恥ずかしいけど、まあ虫関係しかないからな。あ、今日買ったやつも飾ろう」
さっきの展覧会で新藤は何枚かポストカードを買っていて、さっそくそれを壁に飾り、うんいい感じと満足げだった。
「母さん失礼でごめんな。カブトに会いたいって言ってたからさ、あんなにテンション高かったんだよ」
「いや、全然大丈夫。新藤になんとなく似てるなやっぱり。ってさ、新藤ってそういえば名前、翔樹って言うんだよな」
新藤の顔が少し赤くなった気がした。
「そうだよ!家族以外に呼ばれることあんまりないからな、分かんないよな」
「じゃあさ、オレも翔樹って呼んでもいい?」
新藤のお母さんが翔樹と呼ぶのを聞いて、その響きがピッタリで、オレも呼びたくなったのだった。新藤はやっぱり顔を赤くして、
「も、もちろんいいよ。オレなんか出会ったときから、カブトって呼んでるしな」
顔を背けてそう言った。
「翔樹っていい名前だな。なんで今まで呼んでなかったんだろう。これからは、たくさん呼ぶよな!翔樹!」
「そんなしょっちゅう呼ばなくていいから!恥ずかしいわ!さ、お菓子食おうぜ!」
それからオレたちは、お菓子を食べたり、翔樹の作った図鑑を眺めたり、今日の展覧会の感想を言い合ったりした。
「オレさ、カブトと会って、初めて他人のこと知りたいって思ったんだよ。今までは虫のことだけ知ってたら嬉しかったし、それ以外気になることもなかった。でもさ、カブトと過ごしてるうちに、一人だったらわかんなかったことに気づけたり、すごく楽しかったりした。だから〜、ありがとう」
翔樹が急にそんなことを言い出したから驚いたが、それ以上に心が温かくなった。
「オレだって、まさかあんなに嫌いだった虫に興味持つ自分になるなんて思わなかったよ。翔樹ってすごいんだぞ。オレの虫嫌いは超一流だったからな!これからも、虫も虫じゃないことも一緒にできたらいいな、と、思う」
最後の方で照れてしまい、辿々しくなり、下を向いてしまった。
「カブト!」
翔樹がオレの名前を呼ぶ。そこに顔を向けると、翔樹がギュッとオレを抱きしめた。その心地いい温度に自然とオレも翔樹の背中に手を回す。
「カブト、好きだ!いつもありがとう」
「オレも!これからもよろしくな」
「翔樹〜いいの買ってきたよ〜」
翔樹のお母さんの声だった。その声が部屋にやってきた瞬間、2人勢よく身体を離した。
「ほらこれ、二人とも好きそうだから、遠慮しないで食べてね」
おいしそうな焼き菓子を机に置いて、翔樹のお母さんはサッと部屋から出て行った。オレたちは、焦りを隠していた顔で向き合い、一気に大笑いをした。
「今日の写真みてさ、やっぱりカゴの中だけじゃない虫の写真も撮りたいなって思ったんだ。少しずつだけど、翔樹も協力してくれない?」
「もちろん!一緒にやろ!」
翔樹が満面の笑顔で言った。オレはやっぱり翔樹のこの笑顔が大好きだ。
おしまい
オレは今、猛烈に悩んでいる。新藤と両思いだと分かったあの日の帰り際、また2人で出かけようという話になった。すると新藤が、
「カブトが好きなことも知りたい。そのときは、カブトが好きなことをしよう」
と言ったので、分かった!と答えたのはいいのだが……家に帰って気づいた。オレにはそんなに好きなものや行きたい場所なんてないことに。
「カブト、なんか昨日までとは違う雰囲気で変な顔してるけど大丈夫か?」
自分の席で眉間に皺を寄せて動かないでいるオレに一朗が話しかけてきた。
「一朗!昨日はありがとう!昨日までの心配事は無事に終わったんだけど、今日は別の考え事しててさ」
「次から次へと忙しいんだな」
一朗は優しく呆れて様子で笑った。
「あ!一朗!オレの好きなものってなにがあるか分かるか?」
昔からの友人である一朗なら、オレが気づいていないオレの好きなものを教えてくれるかもしれないと期待を込めて聞いてみた。
「カブトが好きなもの?アイス好きだよな?」
「アイス好きだけど、そういうんじゃなくって、なんかこう趣味的なものとか?」
すぐに答えが返ってくるかと思ったら、う〜んと言って一朗は悩み始めた。
「いっつもくだらない話はしてるけど、好きなものをやろうぜってなったりしないよなー。スマホゲームも気に入ってるのはあるけど、そこまでだし、改めて聞かれると知らねえな。くだらない話が好きなんじゃない?」
「そんな…オレって…」
「好きなものがないわけじゃないと思うぞ。オレとか他のやつらと話しててもカブト楽しそうだし。むしろ、なんでも楽しめるイメージあるから、それってすごいことだろ?好き!とかっていちいち気にしてなかっただけで、お前は毎日好きなものに囲まれて生きている、可能性もある!」
落ち込みそうになったオレをみて、一朗が慌てて付け足した。
「そ、そうだな、考えすぎかも!ありがとう一朗!」
スッキリした気はしたが、じゃあ新藤とどこに行けばいいのかという問題は解決できないまま、時間はどんどん過ぎていった。
約束の日、待ち合わせ場所に早めに着いたオレは、なかなか進まない時計を見ながら新藤を待った。今日行く場所、きっと大丈夫だろう。この一週間頭を悩まし、スマホを酷使し、今日の日を迎えた。
「カブトー!お待たせー!」
全然待ってないと聞いたことのあるセリフを伝え、さっそく予定していた場所へ向かった。
「写真展じゃん!カブトって、写真好きだったんだ。いつも真剣に撮ってくれるなあって思ってたから、納得だな」
『田中太郎写真展』オレが今日の行き先をこの展覧会に決めたのは、昨日のことだった。
「いや、特に写真好きとかじゃなくって。新藤に、オレの好きなもの知りたいって言われて考えたんだけど、オレ紹介するほど好きなものって思い浮かばなくってさ。一朗とか母さんにも聞いてみたけど案外思いつかなくて。それで、新藤に会って写真をとるようになって、それには興味出てきてて。調べたらこの人、自然の写真撮ってて、虫の写真もあるみたいだから、いいかもって思ってここにしたんだ」
思っていたことを正直に伝えた。
「そうだったんだ。なんかすごく悩ませちゃったみたいでごめんな。オレさ、カブトのこと全然知らないから、色んなこと知りたい!って思っちゃって、ああ言ったけど。あ、カブト、おにぎり好き?」
「え、好きだけど」
「へへーん!こういうことも知りたい!カブトはおにぎりが好き!だからさ、あんまり難しく考えないでいいよ。一緒に過ごせるだけで嬉しいしさ」
そう言う新藤の笑顔に胸を鷲掴みされたオレは、1人で悩まずに、新藤に言えばよかったと悔いた。
「次からは、こんなときは一緒に考えるのもアリだな」
「そうだよ!一緒に考えよう!でも、この写真展はおもしろそう。見つけてくれてありがとう。さっそく入ろうか」
中に入ると色んな場所で撮られた植物や木や虫なんかの写真がズラッと並べられていて、ここは建物の中ではなくて、森の中なんじゃないかと錯覚するくらい、緑で埋め尽くされていた。その森の中を2人で並んで見て回った。珍しい虫の写真もあれば、馴染みのある虫の写真もあって、どの虫も活き活きとした様子が撮られていた。陽の光の明るさを再現したコーナーや、木漏れ日をイメージした場所など、飾られているのは写真だけだが、そこから音や匂いや温度なんかも感じられるのでは?と思うほど、臨場感のあるディスプレイだった。
鬱蒼とした森を再現したのか薄暗いコーナーに入ったとき、新藤がオレの手を握ってきた。ビックリして新藤の方を見ると
「薄暗いし、誰もみてないし、いいよね」
と小声で言った。オレも握り返し、その間だけ、2人で手を繋いで展示を見回った。
「もうこんな時間だ!結構見入っちゃったもんな。でも素晴らしいい展示だった。カブト、連れてきてくれてありがとう」
気づくと2時間ほど経っていたので驚いた。新藤といるといつも時間があっという間だ。
「このあとどこ行く?」
と聞かれ、ここ以外何の計画も立てていなかったことに気づいた。焦ったオレを見越したように、
「一緒に考えよう」
と新藤が優しく言った。
「そういえば、オレんち割と近いんだよ!カブト、くる?」
家?!とも思ったが、変に断るのも悪いし、普通に行ってみたいのもあって、新藤の家に行くことになった。
新藤の家は電車に乗って20分くらいのところで、本当に近かった。
「ただいまー!カブトも連れてきたよー」
「おかえりなさい。ちょっと!翔樹!カブトくん連れてくるなら前もって連絡してよ!そしたらなんかおいしいの用意したのに!カブトくん、いらっしゃい」
「大丈夫だよ。自分たちでお菓子も買ってきたし。カブト、入って入って」
「お、おじゃまします。水森カブトです」
2人の流れるようなやりとりに圧倒されて、控えめなあいさつをして家の中に入った。
「カブトくん、初めまして。翔樹の母です。いつも翔樹がお世話になってます。この子、高校になってから学校楽しそうでね。仲良くしてやってね」
「いいからいいから。オレたち部屋にいるからね!飲み物取ってくるから、カブトは先に入ってて。そこの右の部屋!」
一足先に新藤の部屋に入ると、予想通りというか、虫の写真がキレイに飾られていたり、虫に関する本が並んでいたりしていた。
「あんまりジロジロみられると恥ずかしいけど、まあ虫関係しかないからな。あ、今日買ったやつも飾ろう」
さっきの展覧会で新藤は何枚かポストカードを買っていて、さっそくそれを壁に飾り、うんいい感じと満足げだった。
「母さん失礼でごめんな。カブトに会いたいって言ってたからさ、あんなにテンション高かったんだよ」
「いや、全然大丈夫。新藤になんとなく似てるなやっぱり。ってさ、新藤ってそういえば名前、翔樹って言うんだよな」
新藤の顔が少し赤くなった気がした。
「そうだよ!家族以外に呼ばれることあんまりないからな、分かんないよな」
「じゃあさ、オレも翔樹って呼んでもいい?」
新藤のお母さんが翔樹と呼ぶのを聞いて、その響きがピッタリで、オレも呼びたくなったのだった。新藤はやっぱり顔を赤くして、
「も、もちろんいいよ。オレなんか出会ったときから、カブトって呼んでるしな」
顔を背けてそう言った。
「翔樹っていい名前だな。なんで今まで呼んでなかったんだろう。これからは、たくさん呼ぶよな!翔樹!」
「そんなしょっちゅう呼ばなくていいから!恥ずかしいわ!さ、お菓子食おうぜ!」
それからオレたちは、お菓子を食べたり、翔樹の作った図鑑を眺めたり、今日の展覧会の感想を言い合ったりした。
「オレさ、カブトと会って、初めて他人のこと知りたいって思ったんだよ。今までは虫のことだけ知ってたら嬉しかったし、それ以外気になることもなかった。でもさ、カブトと過ごしてるうちに、一人だったらわかんなかったことに気づけたり、すごく楽しかったりした。だから〜、ありがとう」
翔樹が急にそんなことを言い出したから驚いたが、それ以上に心が温かくなった。
「オレだって、まさかあんなに嫌いだった虫に興味持つ自分になるなんて思わなかったよ。翔樹ってすごいんだぞ。オレの虫嫌いは超一流だったからな!これからも、虫も虫じゃないことも一緒にできたらいいな、と、思う」
最後の方で照れてしまい、辿々しくなり、下を向いてしまった。
「カブト!」
翔樹がオレの名前を呼ぶ。そこに顔を向けると、翔樹がギュッとオレを抱きしめた。その心地いい温度に自然とオレも翔樹の背中に手を回す。
「カブト、好きだ!いつもありがとう」
「オレも!これからもよろしくな」
「翔樹〜いいの買ってきたよ〜」
翔樹のお母さんの声だった。その声が部屋にやってきた瞬間、2人勢よく身体を離した。
「ほらこれ、二人とも好きそうだから、遠慮しないで食べてね」
おいしそうな焼き菓子を机に置いて、翔樹のお母さんはサッと部屋から出て行った。オレたちは、焦りを隠していた顔で向き合い、一気に大笑いをした。
「今日の写真みてさ、やっぱりカゴの中だけじゃない虫の写真も撮りたいなって思ったんだ。少しずつだけど、翔樹も協力してくれない?」
「もちろん!一緒にやろ!」
翔樹が満面の笑顔で言った。オレはやっぱり翔樹のこの笑顔が大好きだ。
おしまい

