雨が降り続いていた。ぽつ、ぽつ、と静かに僕の部屋の窓を叩く。冷たい空気が胸の奥にまで染み込んでくるようだった。
あれから何日が過ぎたのか、もう分からない。
心に空いた穴は、ふさがるどころか、広がるばかりだった。息を吸っても、吐いても、胸の奥にずしりと重い痛みが残るだけだった。
夜、ふと机に目をやると、あの日以来開いてなかった日記があった。
埃をかぶったその表紙に、僕は手を伸ばす。冷たい紙の感触に、彼女の温もりを思い出すような錯覚がした。
パラパラとページをめくると、そこには確かに、彼女と生きた証が詰まっていた。文字の色、筆圧、ページの角の折れ方まで、まるで彼女の息遣いが残っているかのようだった。
彼女との思い出を振り返った。
出会った日のこと。
名前を呼ばれてドキッとしたこと。
付き合い始めたばかりの、くすぐったいようなやり取り。
喧嘩をした日。仲直りをした夜。
夏祭りで残した彼女の笑顔。
何気ない日常の断片。
「透と一緒に、これからも笑って生きていきたいな」
彼女が角に小さく書き残したその言葉が、今は虚しく響く。僕の喉の奥から、押し殺したような声が漏れた。
「紡…会いたいよ…どうしていなくなるの」
気づけば、涙が日記の上に落ちていた。滲んだ文字は僕の叫びを代筆しているようだった。
胸の奥が締め付けられ、息が詰まる。耐えきれず、僕は部屋を飛び出した。
靴も履かず、雨の中を駆ける。
冷たい水が肌を打ち、胸の奥の痛みがさらに鋭くなる。雨粒が髪の毛やまぶたにまとわりつき、目にしみる。
濡れた服が体に張り付く感覚、靴下のない足裏にアスファルトの冷たさが直接伝わる感触。
足元から冷たさが体の奥まで侵入し、震えが止まらなかった。
「もう…だめだ。」
僕は叫んだ。息が詰まりそうだった。
何度も何度も心がペシャンコになる感覚に、耐えきれなかった。
裸足のまま、ずぶ濡れのアスファルトの上を駆け抜ける。息を吸い込むたびに胸が苦しく、思わず胸を押さえる。心臓が跳ねる。手のひらの汗と雨水が混ざり、滑りやすい路面を踏む足に力を込める。
「…紡、僕は…どうしたらいいんだ…」
涙と雨が目にしみて視界がぼやける。歩くたびに全身が痛む。足の感覚も、指先の感覚も、胸の奥の痛みも、すべて紡を思う心の痛みに変わった。
僕は、"一つの選択"をした。
それは、思い出の中で彼女と会うことだった。現実ではもう触れられなくても、記憶の中なら会える。手を握れる。笑顔を交わせる。
最初にたどり着いたのは、彼女と初めて会話を交わしたあのカフェだった。
ガラス越しに店の中を覗くと、あの日と同じように、甘くて温かい匂いが漂っていた。
僕はドアノブに手をかけ、一瞬、躊躇した。
このドアを開ければ、あの日の幸せな記憶が、蘇るような気がしたからだ。
「えー!同じクラスの雨宮さんだよね?」
それでも、僕はドアを開けた。
すると、まるで幻聴のように、彼女の明るい声が聞こえたような気がした。
驚いた顔、柔らかく笑う姿が鮮明に蘇る。
あの日、僕は心臓がバクバクで、顔を赤くして、何も言えなかった。それでも、彼女は僕のたどたどしい会話を優しく受け止めてくれた。
「透はいつもチョコだよね。浮気しないよね、甘いものに関しては」
「うん。別に今も浮気はしないけどね?」
そんな他愛のない会話が、今でも耳に残っている。彼女と分け合った甘酸っぱいいちごのタルトと、僕がいつも食べていたチョコケーキ。
彼女のいたずらっぽい笑顔が、目の前に浮かんで消えない。
店内は、あの日の賑やかさとは打って変わって、静まり返っていた。
この場所は、僕にとって温かい思い出と、耐え難い孤独が共存する場所になっていた。
僕は自分の格好を思い出し、中には入らずそっと扉を閉めてカフェを出た。
次に僕は公園へ向かった。
彼女と二人でよく寄り道した場所だ。滑り台やジャングルジム、ブランコ。どれもが僕たちの思い出で満ち溢れていた。
「透、どっちが高いところまで行けるか競走ね!」
僕の隣で、彼女がはしゃいでいる。
無邪気な笑顔で、まるで子供のように。
僕は絶対に負けないと沢山漕いだっけ。なのに運動神経化け物の彼女には勝てなかった、と思い出す。
誰よりも僕を理解してくれる彼女。そんな彼女を、僕は一生守っていきたいと思った。
「…私のこと、好き?」
ブランコを止めて、彼女が僕に尋ねた。
彼女は少し照れたように「えへへ…」と笑っていた。その笑顔は、僕への想いを物語っていた。僕はその笑顔を、永遠に見ていたいと思った。
次に向かったのは夏祭りの会場だった場所。彼女と見たあの日の花火は、夜空を彩り、二人の時間を永遠にしてくれるものだと信じていた。
夏祭りの賑やかさも、花火の迫力も、もうここにはない。ただ、冷たい雨音がアスファルトを叩く音だけが響いていた。
「やっぱり私達って出会うべくして出会った運命なんだと思うの。」
彼女の声が聞こえた気がした。
楽しそうにフルーツ飴を食べていた姿、盆踊りで僕の不器用な姿を見て笑っていた姿。
全てが昨日のことのように思い出される。
雨が強くなってきた。彼女と花火を眺めた場所にたどり着くと、僕は地面に座り込んだ。
あの日の花火の残像を追い求めて、僕は空を見上げた。
「紡...僕、君がいなかったら、どうやって生きていけばいいのか分からない。」
空に問いかけるように呟く。答えはなかった。僕の心は、彼女を失ったという現実と、永遠の思い出の狭間で揺れ動いていた。僕の人生は、彼女がいなければ、何も知らないまま終わっていた。
彼女と出会い、愛し、そして失うという、この痛みを抱えたまま、僕はただ、夜空を見つめ続けていた。
最後に、約束した水族館へ続く道を歩き始めた。この道は、彼女と手をつないで歩くはずだった道だ。
「半年記念日はここの水族館に行こうよ」
「半年記念日!?行こ行こ!記念日を覚えてるなんて、紳士だね〜!!」
その笑顔が胸に迫った。その時の笑顔は今でも鮮明に覚えている。
幸せな日常が、永遠に続くと思っていた。
この道の先に、僕たちの未来が広がっていると信じていた。しかし、その未来は突然断ち切られてしまった。
彼女と手をつないで歩くはずだった道。隣にいたはずの温もりは、もうない。僕は、すっかり冷え切った自分の手をじっと見つめた。あの時、どうして僕は彼女の手を離してしまったのだろう。もっと強く、もっと強く、握っていればよかった。そうすれば、こんなに後悔することなんてなかったのに。
この道を歩きながら、僕は何度も後悔の念に駆られた。あの時、ほんの少しでも、何か違う行動をしていれば、今も彼女は隣にいたのだろうか。永遠に答えの出ない問いが、僕の心を深くえぐった。行き場のない想いが、胸の中で渦を巻いて、息苦しかった。
夜空は暗く、雨は降り続いていた。僕はただ、ひたすら走り続けた。
雨粒が頬を伝い、涙なのか雨なのかも分からなかった。
もう彼女はいない、そう分かっているのに、どこかでまた出会える気がして、走る足を止められなかった。
僕は、知らないビルの屋上まで来ていた。
いつの間にか、そこに立っていた。強い風が吹き抜け、胸の奥のもやもやした感情をかき混ぜる。
「風が気持ちいい。」
自然の冷たさと静けさが、僕の心をすっと通り抜けていく。それでも、寂しさは消えない。
「……会いたいな。紡……」
手に持っていた日記を胸に抱く。記憶の中で彼女に語りかける。
「僕は、君がいないと、生きられない」
すべてを投げ出したい衝動が、全身を駆け抜ける。
彼女が居なくなってから、今までの日々は何も感じなかった。何も思わなかった。
僕は彼女なしでは生きられない人間だった。
彼女を失ったのも僕のせいで、僕が悪くて。
「なんだ簡単な事じゃないか。僕が会いに行けばいいんだ。」
柵を乗り越え、 空を見上げる。この広い空も、冷たい雨も、僕のすべてを受け入れてくれた気がした。
祖母のことが気がかりで最後に言葉を残せなかったのは悔しいけど、両親は既にいないし、彼女に会えるなら、何でも良かった。
「おい!君何やっているんだ!」
警備員の声が遠くで響いていた。でももう、僕の耳には届かない。雨と夜風が僕を包み、再度日記を開く。彼女に会った時忘れないように、最後に思い出に浸った。
やはりこれは宝物だ。
もし、また生まれ変われたら、また彼女に会えるかな。
「ありがとう、紡。僕の人生に、君がいてくれて……」
二人だけの思い出が詰まっている日記を、ぎゅっと胸に抱きしめたまま、僕は夜空に、足をかけた。
体が軽い。
夏祭りのとき、夜空は僕たちを追いかけていた。けれど、今は僕の背中を押す。
今は、なにもかもが僕の味方。
「だいすきだ。だいすきだ。紡、だいすきだ。愛してるよ。これからもずっと一緒だよ。」
夜空に思いを馳せ、僕は叫んだ。雨音も風の音も、すべて僕たちの時間を祝福するように思えた。
『煌めく夜空に君が笑う
その笑顔で心があったまって
離したくないと思う僕の心
時がいくら経とうとも 君と僕は永遠だ
君は僕の隣に居ない
もう僕の心はさめきって
君に会いに行きたいと思う僕の心
夜空に足をかけた 君と僕は永遠だ』
あれから何日が過ぎたのか、もう分からない。
心に空いた穴は、ふさがるどころか、広がるばかりだった。息を吸っても、吐いても、胸の奥にずしりと重い痛みが残るだけだった。
夜、ふと机に目をやると、あの日以来開いてなかった日記があった。
埃をかぶったその表紙に、僕は手を伸ばす。冷たい紙の感触に、彼女の温もりを思い出すような錯覚がした。
パラパラとページをめくると、そこには確かに、彼女と生きた証が詰まっていた。文字の色、筆圧、ページの角の折れ方まで、まるで彼女の息遣いが残っているかのようだった。
彼女との思い出を振り返った。
出会った日のこと。
名前を呼ばれてドキッとしたこと。
付き合い始めたばかりの、くすぐったいようなやり取り。
喧嘩をした日。仲直りをした夜。
夏祭りで残した彼女の笑顔。
何気ない日常の断片。
「透と一緒に、これからも笑って生きていきたいな」
彼女が角に小さく書き残したその言葉が、今は虚しく響く。僕の喉の奥から、押し殺したような声が漏れた。
「紡…会いたいよ…どうしていなくなるの」
気づけば、涙が日記の上に落ちていた。滲んだ文字は僕の叫びを代筆しているようだった。
胸の奥が締め付けられ、息が詰まる。耐えきれず、僕は部屋を飛び出した。
靴も履かず、雨の中を駆ける。
冷たい水が肌を打ち、胸の奥の痛みがさらに鋭くなる。雨粒が髪の毛やまぶたにまとわりつき、目にしみる。
濡れた服が体に張り付く感覚、靴下のない足裏にアスファルトの冷たさが直接伝わる感触。
足元から冷たさが体の奥まで侵入し、震えが止まらなかった。
「もう…だめだ。」
僕は叫んだ。息が詰まりそうだった。
何度も何度も心がペシャンコになる感覚に、耐えきれなかった。
裸足のまま、ずぶ濡れのアスファルトの上を駆け抜ける。息を吸い込むたびに胸が苦しく、思わず胸を押さえる。心臓が跳ねる。手のひらの汗と雨水が混ざり、滑りやすい路面を踏む足に力を込める。
「…紡、僕は…どうしたらいいんだ…」
涙と雨が目にしみて視界がぼやける。歩くたびに全身が痛む。足の感覚も、指先の感覚も、胸の奥の痛みも、すべて紡を思う心の痛みに変わった。
僕は、"一つの選択"をした。
それは、思い出の中で彼女と会うことだった。現実ではもう触れられなくても、記憶の中なら会える。手を握れる。笑顔を交わせる。
最初にたどり着いたのは、彼女と初めて会話を交わしたあのカフェだった。
ガラス越しに店の中を覗くと、あの日と同じように、甘くて温かい匂いが漂っていた。
僕はドアノブに手をかけ、一瞬、躊躇した。
このドアを開ければ、あの日の幸せな記憶が、蘇るような気がしたからだ。
「えー!同じクラスの雨宮さんだよね?」
それでも、僕はドアを開けた。
すると、まるで幻聴のように、彼女の明るい声が聞こえたような気がした。
驚いた顔、柔らかく笑う姿が鮮明に蘇る。
あの日、僕は心臓がバクバクで、顔を赤くして、何も言えなかった。それでも、彼女は僕のたどたどしい会話を優しく受け止めてくれた。
「透はいつもチョコだよね。浮気しないよね、甘いものに関しては」
「うん。別に今も浮気はしないけどね?」
そんな他愛のない会話が、今でも耳に残っている。彼女と分け合った甘酸っぱいいちごのタルトと、僕がいつも食べていたチョコケーキ。
彼女のいたずらっぽい笑顔が、目の前に浮かんで消えない。
店内は、あの日の賑やかさとは打って変わって、静まり返っていた。
この場所は、僕にとって温かい思い出と、耐え難い孤独が共存する場所になっていた。
僕は自分の格好を思い出し、中には入らずそっと扉を閉めてカフェを出た。
次に僕は公園へ向かった。
彼女と二人でよく寄り道した場所だ。滑り台やジャングルジム、ブランコ。どれもが僕たちの思い出で満ち溢れていた。
「透、どっちが高いところまで行けるか競走ね!」
僕の隣で、彼女がはしゃいでいる。
無邪気な笑顔で、まるで子供のように。
僕は絶対に負けないと沢山漕いだっけ。なのに運動神経化け物の彼女には勝てなかった、と思い出す。
誰よりも僕を理解してくれる彼女。そんな彼女を、僕は一生守っていきたいと思った。
「…私のこと、好き?」
ブランコを止めて、彼女が僕に尋ねた。
彼女は少し照れたように「えへへ…」と笑っていた。その笑顔は、僕への想いを物語っていた。僕はその笑顔を、永遠に見ていたいと思った。
次に向かったのは夏祭りの会場だった場所。彼女と見たあの日の花火は、夜空を彩り、二人の時間を永遠にしてくれるものだと信じていた。
夏祭りの賑やかさも、花火の迫力も、もうここにはない。ただ、冷たい雨音がアスファルトを叩く音だけが響いていた。
「やっぱり私達って出会うべくして出会った運命なんだと思うの。」
彼女の声が聞こえた気がした。
楽しそうにフルーツ飴を食べていた姿、盆踊りで僕の不器用な姿を見て笑っていた姿。
全てが昨日のことのように思い出される。
雨が強くなってきた。彼女と花火を眺めた場所にたどり着くと、僕は地面に座り込んだ。
あの日の花火の残像を追い求めて、僕は空を見上げた。
「紡...僕、君がいなかったら、どうやって生きていけばいいのか分からない。」
空に問いかけるように呟く。答えはなかった。僕の心は、彼女を失ったという現実と、永遠の思い出の狭間で揺れ動いていた。僕の人生は、彼女がいなければ、何も知らないまま終わっていた。
彼女と出会い、愛し、そして失うという、この痛みを抱えたまま、僕はただ、夜空を見つめ続けていた。
最後に、約束した水族館へ続く道を歩き始めた。この道は、彼女と手をつないで歩くはずだった道だ。
「半年記念日はここの水族館に行こうよ」
「半年記念日!?行こ行こ!記念日を覚えてるなんて、紳士だね〜!!」
その笑顔が胸に迫った。その時の笑顔は今でも鮮明に覚えている。
幸せな日常が、永遠に続くと思っていた。
この道の先に、僕たちの未来が広がっていると信じていた。しかし、その未来は突然断ち切られてしまった。
彼女と手をつないで歩くはずだった道。隣にいたはずの温もりは、もうない。僕は、すっかり冷え切った自分の手をじっと見つめた。あの時、どうして僕は彼女の手を離してしまったのだろう。もっと強く、もっと強く、握っていればよかった。そうすれば、こんなに後悔することなんてなかったのに。
この道を歩きながら、僕は何度も後悔の念に駆られた。あの時、ほんの少しでも、何か違う行動をしていれば、今も彼女は隣にいたのだろうか。永遠に答えの出ない問いが、僕の心を深くえぐった。行き場のない想いが、胸の中で渦を巻いて、息苦しかった。
夜空は暗く、雨は降り続いていた。僕はただ、ひたすら走り続けた。
雨粒が頬を伝い、涙なのか雨なのかも分からなかった。
もう彼女はいない、そう分かっているのに、どこかでまた出会える気がして、走る足を止められなかった。
僕は、知らないビルの屋上まで来ていた。
いつの間にか、そこに立っていた。強い風が吹き抜け、胸の奥のもやもやした感情をかき混ぜる。
「風が気持ちいい。」
自然の冷たさと静けさが、僕の心をすっと通り抜けていく。それでも、寂しさは消えない。
「……会いたいな。紡……」
手に持っていた日記を胸に抱く。記憶の中で彼女に語りかける。
「僕は、君がいないと、生きられない」
すべてを投げ出したい衝動が、全身を駆け抜ける。
彼女が居なくなってから、今までの日々は何も感じなかった。何も思わなかった。
僕は彼女なしでは生きられない人間だった。
彼女を失ったのも僕のせいで、僕が悪くて。
「なんだ簡単な事じゃないか。僕が会いに行けばいいんだ。」
柵を乗り越え、 空を見上げる。この広い空も、冷たい雨も、僕のすべてを受け入れてくれた気がした。
祖母のことが気がかりで最後に言葉を残せなかったのは悔しいけど、両親は既にいないし、彼女に会えるなら、何でも良かった。
「おい!君何やっているんだ!」
警備員の声が遠くで響いていた。でももう、僕の耳には届かない。雨と夜風が僕を包み、再度日記を開く。彼女に会った時忘れないように、最後に思い出に浸った。
やはりこれは宝物だ。
もし、また生まれ変われたら、また彼女に会えるかな。
「ありがとう、紡。僕の人生に、君がいてくれて……」
二人だけの思い出が詰まっている日記を、ぎゅっと胸に抱きしめたまま、僕は夜空に、足をかけた。
体が軽い。
夏祭りのとき、夜空は僕たちを追いかけていた。けれど、今は僕の背中を押す。
今は、なにもかもが僕の味方。
「だいすきだ。だいすきだ。紡、だいすきだ。愛してるよ。これからもずっと一緒だよ。」
夜空に思いを馳せ、僕は叫んだ。雨音も風の音も、すべて僕たちの時間を祝福するように思えた。
『煌めく夜空に君が笑う
その笑顔で心があったまって
離したくないと思う僕の心
時がいくら経とうとも 君と僕は永遠だ
君は僕の隣に居ない
もう僕の心はさめきって
君に会いに行きたいと思う僕の心
夜空に足をかけた 君と僕は永遠だ』
