【エピローグ】

 これまで君が選んできた道は幸せでしたか?

 もちろん、生きていれば全部が楽しいことばかりではないよね。
 間違った選択もしたと思う。
 正解だと思える道も選んだと思う。

 僕は死にたくなるくらい悩んだこともあった。
 でも、生きててよかった、そう思える時もあったよ。

 それは、君に出逢えたこと。
 僕が生きてきた時間はかけがえのない宝物だ。

 十年後の君はどんな姿だろう。
 幸せかどうかなんて、わからない。
 だから、少しでも明るい明日になるように、今を生きていく。
 今日という日を生きると選択する。
 君は生きることを精一杯、頑張ってるよ。

 生まれてきてくれて、ありがとう。
 これまで生きてきてくれて、ありがとう。
 頑張ってくれて、ありがとう。

 誰もが、誰かの大切な人。
 これまで、僕一人では生きていなかった。
 僕はたくさんの人に生かされていた。
 そして、君のおかげで今の僕がいる。

 当たり前にしている生きるという選択。
 それは、簡単なのに難しい。

 もう僕はこの世界のどこにもいない。
 世界中を探しても、見つからない。
 誰の目にも映らない。

 でも、君はひとりじゃない。
 君を想ってくれる大切な人がいる。

 君は今、幸せですか?

 もし明日がなかったら、君はどうする?

 今の君は、後悔はないと胸を張って言えますか?

 いつまでも、君が何歳になっても。
 君の「今」という時間は「今」しかない。
 だから、どうか、大切な人には会いに行って、愛を伝えて欲しい。
 もう二度と会えなくなるかもしれないから。

 最後に……
 今、この世界に僕のことを知ってる人はいない。だから、君だけは覚えててくれたら嬉しいな。

 僕のこと見つけてくれて、ありがとう。
 これからも、君の「今」が輝きますように。


 二十七歳の大翔より