身代わり婚で妖狐の花嫁にされたら溺愛が待っていました!?

 どうしたものかと悩んでいたら、美也子は突然口を開いた。

「そうだわ。居るじゃない。まだ誰とも関係を結んでいない、お姉様を嫁がせたら、どうかしら?」
「……えっ?」

 美也子は、沙夜を次の花嫁にさせようと提案を出してきた。啞然とする沙夜。

「……しかしだな。あれは、美人とは言えない」
「でも、もともとお姉様は顔は整っていたわ。もう、どんな感じだったか忘れたけど。それに生娘。条件にはピッタリだと思うの」

 名案とばかりに押し通そうとする美也子。沙夜は、もともとは綺麗な顔立ちはしていた。母親が美人だったからだ。
 しかし大きな傷痕を残してから、誰もそう思わなくなっていた。しかし、どのみち誰かを生け贄として嫁がせないといかない。
 そうなれば、可愛い美也子を嫁がせるよりも、役立たずな沙夜を行かせた方がいいだろう。そう思った両親は、それを承諾する。
 結局、沙夜は花嫁としてのお館様のところに行くことになってしまった。沙夜は、もう諦めていた。
 反抗したところで状況が変わるわけではないと。

 そして嫁ぐ日。白無垢を着た沙夜が行列をしながら山奥にある古びた神社まで歩いて向かった。
 行くまでに、薄暗い山道。カラスの鳴き声まで不気味に感じた。
 どれぐらいか歩いただろう? 神社が見えてきた。そうしたら沙夜だけ取り残される。
 神社の離れには古いが立派な屋敷があった。ここに、お館様である妖狐が居るとされている。

(ここが……私の墓場か)