小町の話だと、物の怪は食べなくても生きていけるらしい。人間や魂を食べるとされていたが、それはあくまでも一部の妖怪だけだと。
妖狐である朔夜は、人間を食べたことはない。それどころか人前では食べたことはないので貴重だと教えてくれた。
今までの花嫁は、戻っても村では役立たずと言われて肩身の狭い思いするだけなので、お金を持たせて遠くに逃がしてあげたとか。
一緒に住んでみて、朔夜の知らないことを知っていく。それは以外でもあり、恐れていた噂とは正反対なことばかりだった。
それだけではない。夜になると、朔夜は沙夜を求めてくるようになる。
夫婦なのだし、子を作ることも必要だ。沙夜は、それが妻の義務だと思ってはいたが、彼は子を作るよりも沙夜に対して激しく身体を欲しがる。
「だ、ダメです。お館……さま」
「朔夜と呼べと言っているだろう?」
「ああっ……朔夜さま~」
沙夜からキスを求めれば優しく応じてくれる。それだけではない。
彼女から散歩がしたい、一緒に居たいと言えば、快く応じてくれた。まるで、溺愛させているかのように、大切にしてくれた。
だからこそ、沙夜は不思議に思った。どうして、こんなに良くしてくれるのだろうか? と……。
どうしても気になって、ある日。小町と着物を繕っている時に尋ねてみた。
「えっ? お館様が沙夜様に優しくする理由ですか?」
「えっ……えぇ。私は、けして美人ではないし、器用な方ではないわ。愛想もないし。だから、どうしても気になって」
自分でも分かっている。美也子みたいに美人で愛想とかあれば、何かが変わっていたかもしれない。もっと言いたいことが言えたら……。
そうしたら小町は縫っていた着物を捨てると、沙夜の手を握ってきた。
妖狐である朔夜は、人間を食べたことはない。それどころか人前では食べたことはないので貴重だと教えてくれた。
今までの花嫁は、戻っても村では役立たずと言われて肩身の狭い思いするだけなので、お金を持たせて遠くに逃がしてあげたとか。
一緒に住んでみて、朔夜の知らないことを知っていく。それは以外でもあり、恐れていた噂とは正反対なことばかりだった。
それだけではない。夜になると、朔夜は沙夜を求めてくるようになる。
夫婦なのだし、子を作ることも必要だ。沙夜は、それが妻の義務だと思ってはいたが、彼は子を作るよりも沙夜に対して激しく身体を欲しがる。
「だ、ダメです。お館……さま」
「朔夜と呼べと言っているだろう?」
「ああっ……朔夜さま~」
沙夜からキスを求めれば優しく応じてくれる。それだけではない。
彼女から散歩がしたい、一緒に居たいと言えば、快く応じてくれた。まるで、溺愛させているかのように、大切にしてくれた。
だからこそ、沙夜は不思議に思った。どうして、こんなに良くしてくれるのだろうか? と……。
どうしても気になって、ある日。小町と着物を繕っている時に尋ねてみた。
「えっ? お館様が沙夜様に優しくする理由ですか?」
「えっ……えぇ。私は、けして美人ではないし、器用な方ではないわ。愛想もないし。だから、どうしても気になって」
自分でも分かっている。美也子みたいに美人で愛想とかあれば、何かが変わっていたかもしれない。もっと言いたいことが言えたら……。
そうしたら小町は縫っていた着物を捨てると、沙夜の手を握ってきた。

