「きゃっ!」
「秋葉!」
鋭い電撃が走って、秋葉だけが強く弾かれた。
強い衝撃に尻もちを付く。憂夜は慌てて駆け寄って、彼女の身体を抱き起こした。
「大丈夫か?」
「え、えぇ……。なんだか、力が抜けて――あれ? 額が……?」
にわかに、額に猛烈な熱を感じた。それに微かに光っているように見える。
「……」
憂夜は彼女の額を見ている。ゆっくりと大きく目を見開いたかと思うと、すぐに表情が消えて、時が止まったように身体を固くしていた。
「どうしたの? 顔が白いわ……っつ……!」
痛みを感じて両手で額を押さえる。熱はますます強くなっていく。
この感覚は、覚えている。初めて、白龍の御印が浮かび上がった時と同じ感覚。
少しして、今にも倒れそうなほどに青ざめた表情の憂夜が、やっと口を開いた。
「これは……白龍の印だ……」
「えっ……」
案の定、秋葉が感じている力だった。
でも、自分の霊力は消えて、妹の春菜に移ったのに?
「どういう、こと……?」
重い沈黙が落ちた。その間も、秋葉の鼓動は強く打って、耳に響いていた。
悪い予感がする。
知りたくない。聞きたくない。
だが、憂夜は震えながら次の言葉を続けた。
「秋葉は……今も白龍と契約状態にあるということだ」

