廃品小屋で寝転びながら暇そうにしている二人
千咲「蓮くん、しりとりしよう」
蓮「? なんだよ急に」
千咲「いいじゃん、じゃあ、蓮くんのれ……じゃ終わっちゃったから、千咲の『ち』から」
しばらくしりとりのやりとりを始めるふたり
蓮「……干支(えと)」
千咲「と? と、と、透馬」
蓮「は?(怒)」
千咲「透馬くんだよ! 次は『ま』ね」
蓮「固有名詞ありかよ」
千咲「いいんだよ~。『ま』だよ、蓮くん(さっき、『ま』でいっぱい責めたからもうないだろうな♪)」
蓮「……マハーゼディーパゴダ」
千咲「えっ? まは?」
蓮「マハーゼディーバゴダ」
千咲「なにそれ」
蓮「ミャンマーの寺院」
千咲「えっ、固有名詞じゃん」
蓮「お前だってさっき『透馬』って言っただろ」
千咲「うう~(蓮くん頭よすぎるよー)」
蓮「『だ』だぞ」
千咲「だ、だ、だ……」
思いつかない千咲。焦りで困惑する
蓮「あと五秒」
千咲「だ、だ、だ(思いつかないよ~)」
混乱する千咲。
千咲「だ、だいすき」
蓮「……?」
千咲「あっ」
思わず口が滑って、真っ赤なまま閉口する千咲
かたまって無言のままの蓮
それをみて、勝てそうで鼻を膨らます千咲
千咲「(やった、勝てる!)次、『き』だよ?」
蓮「『キスしよう』」
千咲「えっ」
蓮「だから、『キスしよう』」
平然とした表情の蓮に、真っ赤になり混乱する千咲
千咲「う、う」
蓮「う?」
千咲「うんち」
蓮「アイドルがうんちは駄目だろ、やり直し」
千咲「ええ~。う、う」
蓮が顔を近づけてきて、もう観念する千咲
千咲「うん」
蓮「『ん』ついた、お前の負け」
微笑んだ蓮、そのまま千咲にちゅっと音のなるキスをわざとする
真っ赤になって恥ずかしそうな千咲をみておかしそうにする蓮
蓮「お前、しりとり弱いな」
千咲「うう……」
おしまい

