向かい合って座っていたお父様は私からの言葉を聞き、顎に手を当ててそう言った。
「けれど、お父様」
眉を寄せた私は、そういう訳にはいかないだろうと思った。
数多くの貴族たちが周囲に居るとわかっていながら、あんな風に『自分の方が婚約者に相応しい』と公言するなんて、普通に考えればあり得ない。
「リディアが気にすることはない。ナターシャ嬢とリディアで、最終的に婚約者を選ばれたのは、実はレンブラント殿下本人なんだ。ナターシャ嬢のお気持ちを考えてそれは公的には明かされていないが、レンブラント殿下が望まれた事なのだから、何の問題もないだろう」
余裕の笑みを浮かべて、お父様は私に頷いた。
「……え」
確かに婚約者を最終的に選んだのが、レンブラント様ご本人であるならば、彼女の主張は見当違いになってしまう。
「殿下がリディアが気に入らないというのならば、もっと早くに王族側から婚約者の交代が言い渡されているはずだろう。それがこれまでにないと言うことであれば、レンブラント殿下はリディアとこのまま結婚する意志があると言うことだ。ジャイルズ公爵令嬢が何を言おうと、それは変わらない」
「けれど、お父様」
眉を寄せた私は、そういう訳にはいかないだろうと思った。
数多くの貴族たちが周囲に居るとわかっていながら、あんな風に『自分の方が婚約者に相応しい』と公言するなんて、普通に考えればあり得ない。
「リディアが気にすることはない。ナターシャ嬢とリディアで、最終的に婚約者を選ばれたのは、実はレンブラント殿下本人なんだ。ナターシャ嬢のお気持ちを考えてそれは公的には明かされていないが、レンブラント殿下が望まれた事なのだから、何の問題もないだろう」
余裕の笑みを浮かべて、お父様は私に頷いた。
「……え」
確かに婚約者を最終的に選んだのが、レンブラント様ご本人であるならば、彼女の主張は見当違いになってしまう。
「殿下がリディアが気に入らないというのならば、もっと早くに王族側から婚約者の交代が言い渡されているはずだろう。それがこれまでにないと言うことであれば、レンブラント殿下はリディアとこのまま結婚する意志があると言うことだ。ジャイルズ公爵令嬢が何を言おうと、それは変わらない」



