恋愛指数最高値の計測は正確なようだわ。だって、そんなイーディスが今恋なんてしていないだなんて、誰も思わないわよ。

「なんだか急に暑くなって来たわ。冷たい氷菓子でも出して貰おうかしら?」

 まだ氷菓子には季節的に早いけれど、私が揶揄うようにそう言って手で顔を仰げば、彼女は楽しげにくすくすと微笑んだ。

「体が冷えてしまって構わないのなら、別に構わないわよ。そうだわ。リディアの婚約者様の恋愛指数は、どうだったの?」

 イーディスは自分側の話をしたのだからと思ったのか、私の婚約者の話へと水を向けてきた。

 とは言っても、私と婚約者の関係は彼女たちとは違ってお熱いとは言い難いので、素っ気なく肩を竦めた。

「ああ。どうなのかしら。最近はお忙しいらしくて、まだお会いしていないの。きっと、あの方は『10』とか。あっても『15』とかではないかしら。だって、女嫌いの噂もあるくらいに、婚約者の私に冷たいのよ」

 自分が最高値の恋愛指数を持つイーディスは、私の婚約者が現在どの程度の恋愛指数なのかと、気になってしまっても不思議ではない。