けれど、これらをすべて赤裸々に語ってしまうことは躊躇われた。

 レンブラント様は不思議そうな表情を浮かべながらも、私の下手な説明に納得してくれたようだ。

「神殿に問い合わせをした方が良いのかも知れない。あれは、判定のための三つの水晶に出て来る図形と能力(ギフト)の書かれた本にある説明を照らし合わせるものだったはずだったな」

 レンブラント様は遠い目をして、その時の光景を思い返しているようだ。彼には、それは二年前の出来事だものね。

「あ……レンブラント様。それは、既に問い合わせ済みなのですわ。もうそろそろ、私の元へと返信が届くと思うのですが」

 神殿は私たちの住む王都から、それほど遠くない距離にある。

 けれど、神官たちだって手紙の対応ばかりをしている訳でもないし、私の問い合わせについての返信が遅くなっても仕方ないだろう。

「そうか……リディアも災難だったが、もうすぐ正確な能力(ギフト)が判明するのならば、それで安心することが出来るだろう」

「……はい」

 いつになく優しい態度を見せるレンブラント様に、嬉しくなって私は微笑んだ。彼は目を細めて笑顔を返してくれた。