「神官から伝えられた判定内容が、もしかしたら、間違いだったかもしれないと? そんなことが……」

「ええ。実は私は今、誰かを見れば頭上に数字が浮かんでいるように見えるのです。けれど、そんな状況にあるとは思えない兄の数値の話をすると、それは間違いだったのではないかと気がついたのです」

「……僕の頭上にも、数字があるのか?」

 レンブラント様は不思議そうにして、空を見上げた。

 ちょうど浮いている数字が視界の邪魔をしているように私には見えるけれど、本人にはそれは見えないのだから何の支障もないはず。

「ええ……その……そうです。ですが、今までそうだと思って居た能力(ギフト)が、全く違ったものだったかもしれないと知ったので、勘違いかもしれないと思うことも多く、最近はその事で頭が一杯になっておりました」

 これは、全くの嘘ではない。

 実際のところ、レンブラント様に他の女性が居るのではないかと慌ててしまい、ただ普通に働いているだけだった彼のことを尾行したりしていたのだ。

 今思い直すと、自分の行動が本当に恥ずかしい。