「君は、最近どう考えても様子がおかしい。元気がないし、何かで悩んでいるようだ。僕たちは婚約者同士なのだから、何かあれば話して欲しい」

「そっ……それは、その」

 レンブラント様は元気がない様子を心配してくださっただけで、特に他意はないとはわかっている。

 けれど、なかなか私の頭が回転しない。追いつかない。

 こんなにも彼が近くに居るなんて、今まではないことだったからだ。

「……この前から、どう考えてもおかしい。もしかしたら、君の能力(ギフト)で、何か心配事でもあるのか?」

 その言葉が図星だった私は、思わず頷いてしまった。

 ……しまったとは思ったけれど、ここまで彼にとってしてみれば謎の行動が多いことは事実だし、これはもうレンブラント様には隠しきれないだろうと思った。

 真摯な視線を放つ青い瞳を見れば、ここで嘘をつくことは躊躇われた。

「その……実は神殿で能力(ギフト)判定の儀式を受けて、とある能力(ギフト)だと内容を知らされたのですが、それが間違いかもしれないと気がついて……そのことで、悩んでいたのです」