「実はお兄様の頭上にある数字も、最高値だったのよ。けれど、あの人には恋愛をする時間的な余裕もなく、本人に聞いてもそんな相手は居ないと言って居たわ……だから、恋愛指数が最高値なはずがないの。今は神殿に判定結果が間違いではなかったのかと、問い合わせ中なのよ」

 今ではもう、私はすっかり最初の判定結果が間違いであるだろうと思っている。

 エミールのこともそうだけど、お兄様だっておかしいもの。

 ……それに、あの時を思い返せば焦っていた新人神官ならば、やりかねないと気がついてしまっていた。

「……まあ、恋愛指数ではなかったら、何なのかしら……私も最高値らしいから、何なのかと気になってしまうわね」

「もし、これが間違いで何の数値なのかがわかれば、貴女にすぐに知らせることにするわ。イーディス」

 そうして、私は彼女の恋人エミールのことも合わせて、謝罪しなければならないだろう。

 能力(ギフト)の内容を間違えて伝えられたことによる勘違いだったのだけど、彼女を心から愛しているエミールにとっては、大変不本意な内容で責められたと思うから。