黙ったまま見つめ合った無言の時が続き、レンブラント様はそろそろ時間だからと知らせに来た侍従アンドレの言葉に頷いて帰って行った。



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 次の日の夜会。

 私とレンブラント様はいつものごとく婚約者らしく二回踊って、お互いの友人の元へと向かうことになった。

 レンブラント様はここのところ、私の様子がやけにおかしいとは勘付いているようだ。つい先ほども、私に何かを言いかけてやめるを繰り返していた。

 もうそろそろ神殿からの返信が来るはずだし、私も彼に腹を割って、話さなければならないのかもしれない。

 以前は冷たい態度を取るレンブラント様が好きだと思っていたけれど、誰にも取られたくないほどの気持ちに気がついたのだと。

「あら。リディア。今日のドレスも素敵ね」

 イーディスは私のドレスを見て、褒めてくれた。素直に嬉しい。

 婚約者の色として青と金を使ったドレスが多いのだけど、デザインがいつも凝っていて自慢したくなるのだ。

「……ありがとう。イーディス。貴女の新しい髪型も、凄く似合っているわ」

「そう? 嬉しいわ。エミールも似合うって言ってくれたの」