「けれど、結局のところ、これまでに他の女性の影は見当たらなかったのでしょう? もしかしたら、それは何かの間違いなのではないかしら?」

 イーディスは頬に手を置いて、困り顔をしていた。

 そうであれば良いと思うけれど、レンブラント様が婚約者の私に対し幼い頃から冷たい態度を取り続けていることに変わりないのだ。

「そうね……イーディスにだって、出来るなら恋愛指数を見せてあげたいわ。貴女と同じ最高値の数字が、彼の頭の上に乗っているんだから」

 そう言って、私は親友イーディスの恋愛指数を確認した。今でもやはり変わることなく『100』で、付き合ったばかりのエミールと上手くいっているようで何より。

「あまりにもその数字が気になってしまうようならば、見えなくする方法もあるわよ。リディア」

 私が上手くいっていないのにエミールのことを話すのもいけないと思ったのか、自分のことについては誤魔化すようにイーディスは言った。

 私のような能力(ギフト)で特別な時だけでなく常時何かに作用してしまうものは、神官が神力を込めたアクセサリーで抑制することが出来る。