「だって、アンドレは私にレンブラント様の予定を、敢えて隠しているってことでしょう? それなら、浮気相手を隠していないという証拠はどこにもないもの」
無理矢理な理屈だし、アンドレは忠実な侍従として役目を果たしているだけだ。私はそれを利用している酷い女だと自覚はある。
私だってお互いに程良い距離を保っていたレンブラント様のことでこんなにも必死になれるなんて……これまでに思いもしなかった。
私たち二人はしばし見つめ合い、根負けしてしまったのは、最悪の事態を想像し涙目のアンドレの方だった。
「……わかりました。本来ならばこれは許されぬ行為ではありますが、他ならぬ殿下の婚約者であるリディア様がお相手なので、問題のない程度にはお教えします。ですが、レンブラント殿下に女性の入る隙間なんて、本当にございませんよ。あのお方が分刻みで動きご多忙であることは、リディア様だって知っておられるでしょう?」
「それは……確かに、知っているけれど」
無理矢理な理屈だし、アンドレは忠実な侍従として役目を果たしているだけだ。私はそれを利用している酷い女だと自覚はある。
私だってお互いに程良い距離を保っていたレンブラント様のことでこんなにも必死になれるなんて……これまでに思いもしなかった。
私たち二人はしばし見つめ合い、根負けしてしまったのは、最悪の事態を想像し涙目のアンドレの方だった。
「……わかりました。本来ならばこれは許されぬ行為ではありますが、他ならぬ殿下の婚約者であるリディア様がお相手なので、問題のない程度にはお教えします。ですが、レンブラント殿下に女性の入る隙間なんて、本当にございませんよ。あのお方が分刻みで動きご多忙であることは、リディア様だって知っておられるでしょう?」
「それは……確かに、知っているけれど」



