けれど……他の女性が居るかもしれない状況に、すべての前提が覆ってしまった。レンブラント様は私を好きでなくても良いし、冷たい態度をしても構わないけれど……。

 私以外の……他の女性を好きになるなんて、絶対に駄目だわ。

 これは、他の誰かが聞けば、子どもっぽい独占欲なのかもしれない。

 レンブラント様は婚約者で、どうせ私と将来的に結婚するんだからという慢心がなかったとは言えない。

 必ず結婚するし、義務はすべて果たしてくれるし、むしろ少しくらい冷たいくらいが丁度良いわよねなんて、余裕を見せている場合ではなかった。

 そこまで考えて、窓に映る顔をふと見ると頬に涙が伝っていて自分でも驚いてしまった。

 私って、レンブラント様のことを好きなんだ……だって、彼が私以外のことを好きだってわかった今でも、数字は『85』で、前よりもより好きになってしまっているもの。