彼は周囲から遠巻きにされてて自ら親しくなったりもしなから、流行りの情報とかにも疎くて良くわかっていない。

 いわゆる、前世の世界で言う情報弱者なのだ。

 だから、めちゃくちゃ良く当たる流行りの占いなんてある訳もないのに、自分が知らないことがあったのかとすんなり信じてしまう。

 この世界にもマルチ商法とか……あるのかな。ディミトリ、大丈夫かな。すぐに騙されそう。

 ええ……なんなの。可愛い。可愛い。私の推し可愛い。こんなに尊い存在なのに、彼は心まで天使のように純真だった。

 可愛いディミトリが傷ついてしまうところなんて、絶対に見たくない。だから、こうして顔に傷が出来てしまう前に助けることが出来て良かった。

 私は危機脱出にとりあえずほっと安心したら、自分の意識が遠のいていくのを感じた。