「俺はあまり教師以外の人と話さないから、そんなに良く当たる占いがあることを知らなかった。もし、シンシアに嫌な思いをさせていたら、済まない。こうして頭の中に呼び掛けるのも、そう言うことか。最近の技術は、俺の知らないところで、発達しているんだな」

(……うん)

 完全に騙しているという自覚を持つ私は、何故か自分の頭の中に居ることにすら勝手に理由を見つけて納得してくれる可愛い推しに、とても微妙な気持ちを抱いていた。

 えっ……なにこれ、やばい。可愛い。

 ディミトリってば、これだとすぐにヒーローに恋しやすいことで有名な簡単な女チョロインならぬ、何でも信じちゃうチョロボスじゃん!

 どうしてこんなにも……自分が聞いてもおそらく穴だらけだと思う私の主張を、こうもあっさり信じてくれるのー!

 前世の記憶を持つという隠さなきゃいけない理由がある私には、とても都合が良いけど言いようのない複雑な思い。

 だけど、ディミトリは絶対に自分に気のないアドラシアンを好きになって、それが主な原因で闇堕ちしてラスボスになってしまうくらいなのだ。