実は「私は転生者で、貴方は前世の最推しキャラだったんですぅ!」なんて、まぎれもない真実だけど何も知らない推しには絶対に言わない。絶対に言わない。
これは大事なことだから、二回言っておく。
「学術都市の創設者はそういったご立派な理念を、持っていたかもしれない……けど、そのような美辞麗句の建前、誰も気にしてないだろう。だが、偽善に近い建前だとしても、種族で差別されないとされていて俺は助かった。学問を学ぶとしたら、この場所しか無理だったから」
ディミトリのこういった詳しい事情は、彼の生い立ちが描かれたエピソードで小説の中でも触れられていた。
ディミトリ登場シーンを何度も何度も擦り切れるほど読んだ私だって、もちろんそれは知っている。
……けど、だからこそ、唯一の居場所だったドミニオリアを追われることになった彼は絶望して、悪意ある研究者の口車に乗って利用されることになった。
「えっと……顔が、好きです」
本人を前にしてとても言いにくいけど、これだって別に嘘でもない。
これは大事なことだから、二回言っておく。
「学術都市の創設者はそういったご立派な理念を、持っていたかもしれない……けど、そのような美辞麗句の建前、誰も気にしてないだろう。だが、偽善に近い建前だとしても、種族で差別されないとされていて俺は助かった。学問を学ぶとしたら、この場所しか無理だったから」
ディミトリのこういった詳しい事情は、彼の生い立ちが描かれたエピソードで小説の中でも触れられていた。
ディミトリ登場シーンを何度も何度も擦り切れるほど読んだ私だって、もちろんそれは知っている。
……けど、だからこそ、唯一の居場所だったドミニオリアを追われることになった彼は絶望して、悪意ある研究者の口車に乗って利用されることになった。
「えっと……顔が、好きです」
本人を前にしてとても言いにくいけど、これだって別に嘘でもない。



