作家が日本人の和製ファンタジー、最高。だって、私が前世に日本人だから、どうしても慣れ親しんだ文化が大事なんだよね。生まれ変わっても、わびさびを感じたい。

「うーん……そうだね。ああ。じゃあ、ヒューも一緒に行く?」

「なんで、僕じゃなくて……リズウィンと、行って来たら良いじゃないか」

 何食わぬ顔をしてヒューはそう言ったけど、押し上げた眼鏡の奥は嬉しそう。

 どうやら、本編を補完するIFストーリーの外伝では私が死んでしまって、彼は私に恋をしていたと気がついてしまったらしい。

 けど、誰だってたった一人しか居ない友人を失えば悲しくなりさみしくなり、そうなってしまうと思う。

 ちなみに私は、男女の友情は成立すると思うタイプ。

 そんな訳ないと自分の常識は世界の常識と言わんばかりに、声高に言いたい人が居るとは知っているけど……もし、その人が何か意見を言う権利があるとするなら、私にだって同じように自分の考えを主張する権利があると思わない?