祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~

「知ってますけど、絶対にやらないでください。聖女様は身を守る方法を知りませんから、この結界がなくなればひとたまりもありませんよ」

 私はちょっとした冗談を言ったはずだったけど、無表情のハミルトンさんにすっぱりと斬られた。

「そんなにも、強いんですか?」

「団長なので簡単に見えるかもしれませんけど、あれは世界の中でも最強の魔物の一匹ですよ。何度も言いますけど、もし倒し損ねたら魔物暴走(スタンピード)が起きます」

 世界が滅びちゃうんですよね。この世界に来てから何度も何度も耳にたこができるくらいには、聞いております。

「……その割には、皆余裕ありますけど……」

 そう言って私は、いつも通り夕飯の準備をしている騎士団の皆さんを見た。

 魔物は確かに道を進むにつれ、どんどん強くなっていっているようだ。そこまで差し迫った状況でもないけど、皆平和でのどかで……救世の旅とは思えない。

「騎士団に余裕があるのは、団長が居るからですよ」

「……団長の息子さん……ですよ?」

 私たち二人は、本人だと知っているけど……皆は知らないはず。