祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~

 勇者とされる王子様があれだなんて、夢も希望もないんだけど……こんな奴がヒーローだったら、異世界ものに憧れる女の子は居なくなると思う。

 異世界から勝手に喚んでおいて、その言い草はなんなのよ! と、産まれた時から民主主義国家日本で生まれ育った私には、王国における王族の尊さなどを知る訳もなく鼻息荒く馬車の扉を叩いて抗議してやろうかと頭を過った。

 というか、私は居なくては魔物が倒せない聖女なんだから、あいつより重要度高いよね……?

「申し訳ありません。聖女様。殿下には私が後で言って聞かせますので、どうかお許しください」

 馬鹿王子の代わりに謝罪した彼をパッと見た私の顔はその時、見るからに怒っていたのかもしれない。

 けれど「この人が神官の言っていたとても強い騎士団長様ね」とすんなり納得してしまえるくらいに、重厚な威厳を纏った中年男性がそこに居た。

 鍛えられた身体も立派で美形なおじ様だけど、出来ればあと二十年早く会いたかったと残念に思う。

 あんな王子より、騎士団長の方が絶対に礼儀正しくて格好良いのに!