祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~

 静かに淡々とした態度のジュリアスに対し、真っ赤な顔のエセルバードは激高しているようだ。

「……ジュリアス。私は大丈夫だから。もう良いです」

 けほけほと咳き込みながら私が言うと、どさりと重い音をさせジュリアスはエセルバードを離した。

「聖女様。大丈夫ですか?」

「ごめんなさい……私は大丈夫。もう行きましょう」

 手を差し伸べてくれたジュリアスに掴まり、私は面白くない表情で座り込んでいるエセルバードを冷たく見てから背を向け歩き出した。

「……おい! 俺は知っているんだ。お前、宿屋で祝福を使っただろう? 俺付きの魔術師が言っていたんだ。祝福は魔法とは原理が違うためにかなり近くでないとわからないが、あれは祝福の波動だったと……お前ら、何を隠しているんだ?」

 しまった……私が宿屋のエセルバードが居る近くの部屋で『祝福』を使ったから? 魔術師にわかってしまうなんて、聞いてないよ!

 私があわあわと焦っている前に、ジュリアスは至って冷静な様子でそれに答えた。

「エセルバード殿下。聖女様は、まだ自身の祝福を知りません。何かと誤解されたのではないですか?」