祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~

 何もかもお見通しですよと言わんばかりの店長から、私は緊張しながらその小箱を受け取った。


◇◆◇


「……聖女様?」

 目を開けると至近距離にあった整った顔に、私はすぐに口から出てきそうな悲鳴を手で押さえて押し殺した。

「……わっ……! びっくりした。ジュリアス……?」

「驚いたのは、こちらです。買い物から戻られたと聞けば、何度扉を叩いても返事がない。既に今は深夜です。心配になって合鍵を借りれば、部屋の中で昏睡状態ではないですか」

 え。ジュリアス、何故か怒ってる? どうして?

 「……あ! 私、そうだ。あの木の小箱に……?」

 そうだった。あれを封印がかかる前に元に戻そうとして、キスをしたはずだった。

 私の手の中には、綺麗な若木の色に戻ったあの小箱があり、さっきまでどんなに力を入れても開かなかったはずなのに、簡単に開けることが出来た。

「わ! 綺麗!」

 小箱の中には、綺麗な緑色の宝石が嵌まった指輪が鎮座していた。私はすぐ近くに居たジュリアスにそれを見せた。

「聖女様……これは?」

 いぶかしげに聞いたジュリアスに、私は何度か頷いた。