祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~

 生活に必要なものはなんでも買って貰えるし、すぐ傍に居る騎士団の誰かに欲しいと言えばなんとかして貰えると思うけど、ここで内緒で出す現金がない。

「これが気になるのなら、もしかしたら……未だ解明されていないという聖女様の祝福で、これの封印が解けるかもしれません」

 あっ……そうだよね。私の祝福って……人や植物問わず時間を戻すこと……? だとしたら、この小箱の封印だってなかったことに出来るかもしれない。

 けど、それってここで何も言わなかったら、彼を騙しているみたいにならない?

「あのっ……私がお礼が出来るようになったら、絶対にお礼に来ます」

 まさか旅を共にする人たちにも言えないのに、ここで祝福の内容を漏らすわけにもいかない。なんとなく悪い気持ちになりながら彼に伝えれば、店長はにっこり微笑んだ。

「いいえ。誰かを助ける善行は、回り回るものです。ここで聖女様をお助けすることが出来たなら、きっといつか誰かが私を助けてくれますから。それに、ここにあってもいつまでも使う機会が訪れませんし、使って貰える方が指輪も喜ぶと思います」