祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~

「えっ……エセルバード……様……」

 隣の部屋の扉からエセルバードがこちらを見ていて、私はぎょっとした。

 うわ。やばい。いつも心の中で三歳児のエセルバードみたいな感じにしてたから、危うく本人の前で呼び捨てしてしまうところだった。

「お前。あいつと付き合っているのか……この世界に、残るのか?」

 じろじろと私を値踏みするような視線がなんか、嫌だ。

「えっ……それは」

 どっ……どうしよう。エセルバードに、なんて言えば……。

「別に詳しく言わずとも、顔が赤くなっていてとろけた表情だ……密室で二人、何をしていたか丸わかりだ」

 その時に私がばっと両手で顔を覆ったので、面白くない顔をしたエセルバードはふんっと鼻を鳴らした。

「あれの父親も、俺の母上のことが好きだったはずなのに……なんで、あんな大きな息子が居るんだ……おかしいだろう。自暴自棄になって、その辺の町娘に手を付けでもしたのか?」

「……え?」

 ……ジュリアスが、エセルバードの母親のことを、好きだった……?

 あ。ハミルトンさんもこの前に、ジュリアスと亡くなった王妃は幼馴染みだって言っていた気がする。