祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~

「すみません……確かにあの時は聖女様と恋仲になろうとは、思わなかったですね」

「今は、どうですか?」

 ジュリアスは不意に黙り込んだので、私はその時すごく緊張した。短い沈黙だと言うのに何を言われるか本当に怖い。

「……考えています」

 え? これって、恋愛対象をしてありってこと……だよね?

「嬉しいです……嬉しい」

「まだ……僕は頷いた訳ではないですけど?」

 思わず嬉しくて涙ぐんだ私に苦笑した彼は、指で目尻を拭ってくれた。


◇◆◇


 その後で私はジュリアスを扉まで送って、彼の背中が階段を降りるところまで見届けた。

 これまでにどんなに近付いても縮まらなかった心の距離が、なんとなく縮まった気がする……それは、何でだかというと、さっきの私は彼に本音でぶつかったからだと思う。

 あんなこと、普通なら絶対に言わない……っていうか、言えない。

 元の世界では、本音を隠して生きるなんて皆がやっていることで、別に私だけじゃない。醜い部分をさらけ出し合うなんて、絶対にやりたくないよ。

 あの人くらい好きな人じゃないと……そんなの、絶対にしたくない。

「……おい」