祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~

 だって、聖女の私が自分を好きになったから、この世界に残るって言いましたって王様に言えば、ジュリアスは不名誉な通り名なんて忘れて貰って、皆に感謝されてまた英雄だと言って貰えるチャンスなのに。

 どうして彼がすぐにそうしないのかと言えば、私の気持ちしか考えていない。自分の立場を考えれば、頷くべきだと思うのに。

「ジュリアス……優しい」

「優しい……? 聖女様に優しいと言われるのは、複雑ではありますね」

 言葉の通りジュリアスは整った顔に複雑な表情を浮かべたので、私は首を傾げた。

「……どうしてですか。優しいって、褒め言葉だと思ってました」

 そうだよ。薄情って言われるよりか、断然良くない?

「褒め言葉……優しいだけの男は、女性に好かれないですからね」

「私にはもう好かれているので、別に良くないです?」

 二回ほど彼を好きだって言いましたし、結婚したいまで言ったのに。

「そうですか……聖女様は、まだ私のほんの一部分しか知りません。僕の何か違う一面を知れば、嫌いになるかもしれませんよ?」