祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~

 無表情が基本な副団長がその時にとても残念な表情になったので、私は彼は本当はそうしたいと思って居るんだなとよくよく理解した。

 エセルバードめ……団長の足を引っ張って庇って貰うくらいなら、自分が馬車で足を抱えて震えていれば良いのに。

 私は団長の手当てしたいと考え、副団長に断ってから夕食を取る前に彼を探すことにした。

 小さな川へ傷口を洗い流していたらしい団長は、すぐに見つかった。彼は座り込んで無理な体勢になり、怪我を負っている脇腹を確認しているようだ。

 しまった。もっと早くに来れば良かった。異世界の傷薬は現代では信じられないくらい効き目があって、少々の切り傷だったら一晩で治ってしまう。

 けど、脇腹の薬を塗ったり包帯を巻くことは、彼一人ではしづらいはずだ。

 ああ……聖女の私にも手をかざしただけで傷を治すことの出来る『祝福』があったらなあ……エセルバードが言っていたことは、一理あったりもするのだ。

 与えられた『祝福』が旅立つ前に何かわからない聖女なんて、前代未聞らしいし……私が口笛吹いても、あの鳥は言うことを聞いてくれません。