祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~

 馬鹿王子エセルバードとは言え、一応彼あっての救世の旅だということは理解しているのか騎士団長に怒られたら悪態はつくけど従っている。

 耳を押えて嫌な表情になり、足早に退散するようにして先を急いで走って行った。

 本当に容姿だけは良い王子だけど、こうして会えば罵倒される私的には悪感情しかない。勇者の王子と聖女というカップリングって、物語ではあるあるだと思うんだけど顔だけ王子とは絶対恋に落ちたくない。

 あの人さえ居なかったら、私だって世界を救う旅をもっと楽しんでいたのかもしれない。

 というか、率直に言ってあの人邪魔じゃない?

「……怪我をしたのか。大丈夫か? 聖女様。申し訳ありません。部下の治療をして頂きありがとうございます」

「いいえ。私にはこれしか出来ないから、させてください」

 これって、別に謙遜した訳でも嫌味でもなく、私が思っていることをそのまま言った。

 この世界での当たり前の常識を知らない私は、何がどういう役割でどうすれば良いかもわからないから、手際の良さが重視される野営料理に参加することだって出来ないのだ。