ラストシーンは君の笑顔で

まあそれが普通だろう。

一般来場者も来る文化祭で、個人的な出し物なんてきっと生徒会が許してくれない。


「やっぱり五人いないとダメですか?私と澄だけじゃ」


塚田先生がちらりと私に視線を向けてきて、思わずびくりと反応してしまう。

きっと、こういうことを避けそうである私が乗り気であることが不思議なんだろう。

私の本当の目的まで見透かれてしまいそうな気がして視線を逸らす。


「そういう決まりだからな。五人集めてまた来なさい。高校生が映画を作るなんて青春でいいじゃないか。俺は応援してるぞ」


ぽんぽんと橘彩音の次に肩を叩かれ、なんて返すのが正解なのかわからず曖昧に頷く。

職員室を出ると、橘彩音がはーと大きなため息をつきながら壁に手をついていた。


「やっぱりそれなりに人数がいないとダメかー…。中学の時もそうだったから、高校でもそうなんじゃないかと思ってたんだけどね。まあ、これから映画を作っていく中でも人手が必要だもんね。手伝ってくれる人を探さないと」

「そう、だね…」


橘彩音とは小学生の頃に話していたから普通に話せる方だけど、他の人となるとうまく話せる自信がない。

だからもちろん、頼めるような友達も一人もいない。


「橘さん、友達多いし、すぐに見つかるんじゃない?」