ラストシーンは君の笑顔で

私が書いた脚本でたとえ橘彩音が演じたとしても、きっと失敗するに決まっている。

橘彩音が後悔した時にはもう遅い。

彼女の夢をもう二度と追いたいと思えないほどめちゃくちゃにしてやる。

そして私を選んだことを後悔すればいいんだ。

だって橘彩音は何でも持っているんだから。

夢を、たった一つ失ったくらいできっと痛くも痒くもないんだから。

だから、私が奪ってあげるんだ。


橘彩音は私の真意に気づきもせずに、馬鹿みたいに明るく笑っていた。