「約束だよ」
太陽のように眩しく笑うあの子がずっと、世界で一番大嫌いだった–––。
*
*
夏休みまで残り三週間。
やっとテストも終わり、夏休み後にある文化祭の準備が本格的に始まってきていた。
「きゃー!誰、こんなところに看板立てかけたのぉー!半乾きだから莉子のスカートについちゃったじゃん!」
朝の騒々しい教室の中で、一際高い声が入口から聞こえてきてふと視線を向けると、今にもパンツが見えてしまいそうなくらい短いスカートを両手で広げながら百瀬莉子が半泣きしていた。
「あ、わりぃ。朝早く来て塗った看板、入口で乾かしてたんだよ」
「もう最悪!なんでこんなところに置いとくの!?セーターにもついちゃったし!」
黒板の前で友達と話していたクラスメイトの男子が、怒る百瀬さんに悪い悪いと手を合わせて謝っていた。
百瀬さんは腰に巻いていたセーターとスカートをウェットティッシュで拭きながら、男子生徒を睨みつけている。
入口の横に立てかけられている看板の“1C”という青い文字が滲んでしまっているけど、そのことにはお構いなしの様子だ。
「洗ってきた方が早いんじゃない?看板の補修は私がしとくから、莉子はトイレに行ってきな」
「えーん、ゆりゆりありがとう〜!」
太陽のように眩しく笑うあの子がずっと、世界で一番大嫌いだった–––。
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夏休みまで残り三週間。
やっとテストも終わり、夏休み後にある文化祭の準備が本格的に始まってきていた。
「きゃー!誰、こんなところに看板立てかけたのぉー!半乾きだから莉子のスカートについちゃったじゃん!」
朝の騒々しい教室の中で、一際高い声が入口から聞こえてきてふと視線を向けると、今にもパンツが見えてしまいそうなくらい短いスカートを両手で広げながら百瀬莉子が半泣きしていた。
「あ、わりぃ。朝早く来て塗った看板、入口で乾かしてたんだよ」
「もう最悪!なんでこんなところに置いとくの!?セーターにもついちゃったし!」
黒板の前で友達と話していたクラスメイトの男子が、怒る百瀬さんに悪い悪いと手を合わせて謝っていた。
百瀬さんは腰に巻いていたセーターとスカートをウェットティッシュで拭きながら、男子生徒を睨みつけている。
入口の横に立てかけられている看板の“1C”という青い文字が滲んでしまっているけど、そのことにはお構いなしの様子だ。
「洗ってきた方が早いんじゃない?看板の補修は私がしとくから、莉子はトイレに行ってきな」
「えーん、ゆりゆりありがとう〜!」



