彼氏と偽彼女(ダミー)とオレの事情



映画が終わりカフェでお茶する二人

ヒロ:「映画怖くなかったか?」

駿:「うん、ずっとヒロが手を握ってくれてたから安心して見れたよ。
それに段差でつまづきそうになった時も支えてくれて…ヒロは最高にかっこいい彼氏だよ」

ヒロ:「そうか!」

ヒロはご満悦

気分よくパンケーキを頬張るヒロ
落ち着いてコーヒーを飲む駿

ヒロ:「それ、苦くないのか?」

ヒロは駿の飲んでいるコーヒーを指差す

駿:「ああこれ? 最初は苦く感じたけど、段々と美味しくなっていったんだよね」

ヒロ:「ふーん」

ヒロ:やっぱ駿かっこいいな
相変わらずキラキラを放ってるから緊張はするけど、なんとか平静を保てるようになったぞ

コーヒーを飲む駿を見つめるヒロ

ヒロ:1つしか年違わないのになんつーか大人? な感じだなぁ

ヒロの視線を感じた駿

駿:「ん? 一口飲んでみる?」

ヒロ:「え! いや、それ…」

駿は自分の口をつけたカップをヒロの口に当てコーヒーを含ませる

ゴクっ

ヒロ:「苦っ!!」

顔をしかめるヒロ

駿:「フっ…ハハハ…」

駿はヒロの顔を見て楽しそうに笑う

ヒロ:てかこれ…間接キ…

ヒロはぶわっと真っ赤になっていく

それを見た駿はそっとヒロの手に自分の手を重ねた

ヒロ:……っ、さっきまではうまくいってたのに…
でも…駿の楽しそうな顔を見れたからいっか

ヒロは真っ赤な顔で微笑んだ

そしてまたしても、離れた席からサングラスをかけた亜湖が
テーブルをパンパン叩きながら悶えていた







ヒロ:あー この前は楽しかったな
駿のキラキラも絶好調だったし

小林:「成瀬どうした? ニヤニヤして」

今日は小林の家で夏休みの課題をしていた

ヒロ:「べ、別に…」

小林:「あ~ 好きな人のこと考えてたんだろ?」

ヒロ:「違っ…」

小林:「なあ、そろそろ誰か教えろよ」

ヒロ:小林はこんな俺でもずっと友達でいてくれる大事なヤツ
だけど…

ヒロ:「悪い、オレこんなだから今はまだ誰か言う勇気がない。もうちょっと待ってくれ、
オレに自信がついたら一番に小林に言いたいから」

小林:「成瀬…わかった、その日がくるの楽しみに待ってるぞ。でも無理はすんなよ」

小林は二カっと笑った
そんな小林の友情を心からありがたいと思うヒロだった







夏休み中旬

ピンポーン
駿がヒロの家に遊びに来た

亜湖:「いらっしゃい」

駿:「…っ、亜湖…今日出掛けてるんじゃ…」

亜湖:「なーに? 私の留守を狙ってきたの?」

駿:「いや…そんなわけじゃ…」

ヒロ:「駿! いらっしゃい」

駿:「ヒロ!」

二人は微笑み合う

亜湖:「残念だろうけど今日はリビングで3人で過ごすよ」

駿:「え?!」

ヒロ:「駿ごめん、オレの部屋エアコンの調子が悪くて…今、業者に修理してもらってる」

駿:「あーそうなんだ、オレはここで大丈夫だけど、亜湖は出掛けるなり
自分の部屋に戻るなりしてくれていいよ」

亜湖:「それが出掛ける用事が急に変更になっちゃって…しかも私の部屋のエアコンも
調子悪いんだよね」

駿:「へー」

絶対ウソだろと思ながら、冷めた視線を送る駿

ヒロ:「なあなあ、駿の手に持ってるの何だ?」

駿:「あっこれ? ヒロと一緒に食べようと思ってたい焼き買ってきた」

ヒロ:「マジ? やったー! うわっ、いっぱい入ってる! 座ってて、お茶入れるな」


亜湖:「二人きりじゃなくて残念だったな。でも遠慮なくイチャついてくれていいぞ」

駿:「そう? じゃそうさせてもらおうかな」

二人の間にピシピシとした空気が流れる