彼氏と偽彼女(ダミー)とオレの事情


すると駿はヒロのホクロを指でなぞりながら

駿:「全然エロくなんかないよ、オレ…好きだな」

ヒロ:え?!

亜湖:「は?! 駿?」

駿:「オレ、ヒロが好きだ! 突然こんなこと言ってごめん。あの時…水飲み場で
一目惚れしたんだと思う。もう気持ちが走り出しちゃった」

ヒロ:なっ…

ドクドクドク…

カーっとヒロの顔が赤くなる

亜湖:「うおーーーっ」

いきなりのBL展開に興奮する亜湖

駿:「ヒロ、オレと付き合ってくれない?」

亜湖:「おーいいじゃん いいじゃん、ヒロ付き合いなよ」

うつむき黙り込むヒロ

駿:「ヒロ?」

ヒロ:「……っ、ダメだ! あんたみたいなキラキラしてる人の横に
オレみたいなのがいたらダメだ!」

駿:「何言って…」

亜湖:「ヒロ! 確かに駿は顔がいい! それだけじゃなくて優しくて仲間思いだ」

駿:「亜湖ぉ!」

亜湖:「付き合ったらきっと大事にされるぞ」

ヒロ:「……そんなこと言ってねーちゃん、オレらがBLになるから進めてるだけじゃん」

駿:「え!?」

亜湖:「そ、それは…そうだけど」

駿:否定しないんだ…

亜湖:「だけどヒロだって駿のこと結構気になってんだろ? 見てたらわかるし」

ヒロ:「……」

駿:「え! そうなの?」

嬉しそうな駿

亜湖:「ヒロがこんな真っ赤になって言葉数も少なくなって…
こんなヒロ見たことないもん」

ヒロの顔を頬を染めながらまっすぐ見る駿

ヒロ:「……っ、そ…そうだよっ、オレもこの前初めて会った時、
一目惚れしたんだ!悪いかっ!」

駿:「ヒロっ!!」

駿はヒロの手を握りしめる

ヒロ:「ちょっ…だけどダメだ! 付き合えない」

ヒロは手をスッと引っ込める

駿:「な、なんで!!」

ヒロ:「だって…オレこんなだし、こんなにキラキラしてる王子の横には立てない!
絶対に無理だ!」

駿:そんな…

ショックでズーンと沈む駿

亜湖:「駿、諦めるな! よしわかった、学校では秘密で付き合うならいいんじゃないか?」

駿:「うん、そう…そうしよう」

ヒロ:「いやダメだ! キャーキャー言われてるだけならまだしも、付き合ってる相手が
女の子に言い寄られるの見るのはつらい」

シュンと落ち込む駿

亜湖:「うーん」

腕を組み考える亜湖

亜湖:「なら…私が駿の偽彼女(ダミー)役やってやるよ」

ヒロ・駿:「偽彼女(ダミー)役?!」

亜湖:「そう、学校では駿の横に私が彼女として立つ。だから他の女は寄せ付けない。
これでどうだ!」

ヒロ:「いやでも、ねーちゃんだってこの人好きになる可能性が…」

亜湖:「それは絶対にない! こんな顔だけの男 興味ないし、私のBL魂ヒロ知ってるだろ」

駿:顔だけって言った…さっきはいろいろ褒めてくれたのに…

シュンとしている駿の背中を叩き

亜湖:「おい駿、何落ち込んでんだ! もう一押しだ」

亜湖は喝を入れる

駿:「ヒロ好きだ、オレと付き合ってください」

キラキラを放ちながら一生懸命自分に告白してくれる駿を前髪の隙間から見て
たまらない気持ちになるヒロ

ヒロはたまらずうなづいた




それからすぐ、あの渡り廊下のパレードが始まった
そして駿の彼女が亜湖だと認識されていったのだった