ー オレは見た目にコンプレックスがあり、前髪とメガネで顔を隠している
駿はそんなオレでも好きだと言ってくれた人
でも駿のようなキラキラ王子の横に堂々と立つ勇気がないオレのことを考え
ねーちゃんが偽彼女役をかってでてくれたんだ
オレはあの日 運命の出会いをした
一か月ほど前
ヒロ:「暑っ、水! 水!」
体育終わり、外れの水飲み場でヒロは慌てて蛇口をひねった
ジャーーーバシャバシャ……
ヒロ:「え? あれ? あれ?」
水は勢いよく噴出されヒロは頭から水浸しになった
ヒロ:「くーーっ」
メガネを外し、犬のように頭を振り水をブルブル払い除けるヒロ
駿:「大丈夫?」
髪をかき上げ振り向いたヒロの前に、タオルを差し出す駿が立ったいた
水も浴びてないのにキラキラ光っている駿
ヒロ:え?!
この人…なんでこんなに光ってんだ?
オレの目の錯覚?
ヒロは腕で目をこする
ヒロ:いや…やっぱ光ってんな
駿から目が離せないヒロ
駿:「ん?」
ピカっ☆
マジマジ見てくるヒロに、駿は得意の王子スマイル
それを見たヒロの心臓がバクバク暴れ出す
ヒロ:あれ? なんだこれ…
次の瞬間
鼻がムズムズして
ヒロ:「クシュンっ!」
駿:「ほら早く拭いて」
ヒロの頭からタオルを被せワシャワシャと拭き取る
そしてヒロの顔を覗き込む駿
ドクン…
間近で吸い寄せられるように目が合うヒロと駿
ドクンドクン…
お互い時間が止まったかのように見つめ合う
ドクンドクンドクン……
ヒロ:…ハッ!
我に返ったヒロは、駿に素顔を見られたことに気付きカーっと赤くなる
ヒロ:…っ、
そしてすぐに走って行ってしまった
駿:あの子…目の下にホクロがあったな
あんなに真っ赤になっちゃって…
やばっ、めっちゃかわいかったんだけど
また会いたいな
ー あれから…キラキラ王子をよく見かけるようになったな
あの時のあの感覚…なんだったのかよくわからないけど
とにかく王子を目で追ってしまうのは確かだ
ヒロは駿を見かけるたびにそっと陰から眺めていた
たまに目が合いそうになると慌てて逃げていくヒロ
駿:「んっ?」
藤本 陸:「どうした?」
駿:「なんだか視線を感じて…」
陸:「駿を見てる子なんていっぱいいるさ。なんたってうちの学校の王子様なんだから」
駿:「それは陸もだろ」
陸:「駿ほどはモテないよ」
駿:「そんなこと…あっ、」
陸と話してる途中で駿はいきなりつまづく
陸:「おっと」
とっさに駿の脇を陸が支える
駿:「ありがと陸」
陸:「しかし何もないとこでよくつまづくな」
駿:「ハハハ…」
陸:「駿のそういう完璧すぎないとこいいよな」
駿:「そう? ありがと」
駿:あれからあの時の子を探してるけど見つからない
日に日にもう一度会いたい気持ちが高まっていくのに…
教室でグタってるヒロ
小林 明海:「成瀬、最近なんかあった?」
ヒロ:「なんで?」
小林:「ちょっといつもと様子が違う気がして」
ヒロ:「そうか…なあ小林、別に病気じゃないと思うけど、心臓がバクバクすることってあるか?」
小林:「? 走った後とか?」
ヒロ:「いや違う、めちゃくちゃ光ってる人がいて眩しくてその人と目が合いそうになると
バクバクするっていうか・・・」
小林はヒロを見てニヤニヤする
小林:「成瀬、教えてやろう、それは恋だ!」
ヒロ:「は? 恋ぃ!?」
小林:「そう、成瀬はその人が好きなんだよ」
ヒロ:「いやぁ…そんなはず…」
ヒロは駿のことを思い浮かべた
するとみるみるヒロの顔が赤くなっていき
小林:「ほら、間違いない」
ヒロ:ウソだろぉ
小林:「んで、誰なんだよ? 教えろよ」
駒沢 光莉:「何の話してんの?」
小林:「おー 駒沢、いいところに。あのな成瀬が…」
ヒロ:「おい! 小林! 余計な事言うなっ」
小林:「え~~」
ー オレがこんな見た目になる前…小学校の頃から仲のいい小林と駒沢
とくに小林は何でも話せる一番の親友だと思ってる
だが、キラキラ王子のことはなんとなくまだ誰にも言いたくないと思ってしまった
