彼氏と偽彼女(ダミー)とオレの事情



放課後

光莉:成瀬くんは何も悪くないのに、あんな態度とっちゃうなんて…
素直になれない自分がイヤになる

窓の外を眺めてため息をつく光莉

小林:「どうした? 成瀬に振られでもしたか?」

ビクっ

光莉が振り返ると小林が立っていた

光莉:「な…何言って…」

小林:「もしかして駒沢の気持ちバレてないとでも思った? めっちゃわかりやすかったけど」

ぶわっと真っ赤になる光莉

小林:「安心しろ、成瀬は気付いてないから」

光莉:「……、もう知ってる。告白して付き合ってる人がいるからって振られたから」

小林:「そっか…まあ あれだ、世の中には運命ってもんがあって、駒沢には別に
運命の人ってのがいるってことだ」

きょとんとする光莉

光莉:「…ぶはっ、なにそれ…フフ、小林くん慰めてくれてるんだ」

小林:「おうよ、顔は成瀬の半分以下だけど ここはオレの方が熱いもん持ってんだぜ」

そう言いながら胸に手を当てる小林

光莉:「フフフ…うん、知ってるよ」

そう笑いながら窓の方を向き涙をこぼす光莉
机に座りそんな光莉が泣き止むまで黙ってそばにいる小林だった







渡り廊下

女子:「キャー! パレードが始まったよ」

女子:「今日も王子たちは光ってるね」

女子:「4人の王子のうち二人は男同士で付き合ってて、一人は彼女持ち」

ボソっとつぶやく冷静な女子

女子:「そんなことわかってるよ、でもこうやって騒ぐのが楽しいんじゃん」

女子:「そうそう、それにまだ陸くんはフリーだしね」

そんなことを話してる隣の教室から

女子二人:「陸く~ん!」

黄色い歓声があがる

その女子たちは陸に手を振りアピールする

亜湖:「ほら陸、呼ばれてるぞ」

陸:「参ったな…最近やたらと女の子に声を掛けられるようになって…」

亜湖:「そんなもん笑顔で適当に手を振っとけばいいんだよ。ガチに告白してくる人には
ちゃんと答えないとダメだけどな」

香澄:「亜湖がまともなこと言ってるぅ」

亜湖:「最近、ヒロもよく告白されてるみたいでさ」

駿:「は!?」

香澄:「ヒロくん かっこよくなったもんね」

駿:「ちょっと亜湖それホント?」

焦っている駿

亜湖:「やだ駿、そんなに私のこと好きなの? ヒロにまで妬いちゃって…かわいい」

亜湖は駿に抱きつく

駿:「ちょ…」

亜湖:「そんな態度取ってるとすぐにバレちゃうじゃん」

亜湖は駿の耳元でそっと囁く

駿:……っ

それを見たヒロは また教室を飛び出していく





屋上にいるヒロのもとへやってきた駿
ガチャ

駿:「ヒロ!」

ヒロ:「駿オレ、駿と付き合ってること公表したい!」

駿:「え?!」

突然の申し出に驚く駿

ヒロ:「だってオレが好きなのは…付き合ってるのは駿なんだから」

駿:「ヒロ!」

ヒロ:もう偽彼女(ダミー)はいらない

ヒロは覚悟の決まった顔をしていた