彼氏と偽彼女(ダミー)とオレの事情


小林:「はよ~」

小林が登校してくる

小林:ん? なんだ? みんな集まっちゃって…!

小林は人ごみの中にヒロを見つける

小林:「成瀬!?」

ヒロ:「小林!」

ヒロ:こんなに人に囲まれるなんて…助けてくれ

ヒロはすがるような目で小林を見た

小林:「フッ…はいはいみんな、ちょっと成瀬借りるよ」

そう言って小林はヒロを連れ出した


ヒロ:「サンキュー、ホント助かった」

小林:「成瀬! えらいイケメンになったなぁ、まあオレはすぐわかったけど。
おまえの王子にも負けてないんじゃないか」

ヒロ:「そんなわけあるか! 駿は格別だ」

小林:「はいはい、お惚気ありがとう…で、その王子にはもう見せたのか?」

ヒロ:「朝ちょっとだけ…昼休みに会う約束してる」

小林:「そっか…成瀬、勇気出したんだな」

ヒロ:「おう! でもまだこっぱずかしいけどな」

小林:「まあなんかあったらいつでも言えよ」

やいのやいの
二人がじゃれあっていると、ヒロの横を陸が通り過ぎた

ヒロ:「あ!」

ヒロの声で陸が振り返る

陸:「…ヒロ…くん?」





陸と二人で話すヒロ

陸:「いやビックリしたな、あの前髪の下がこんなイケメンだったとは」

ヒロ:「あの…」

陸:「ごめん!」

ヒロ:「え?!」

陸:「駿から聞いたんだ、亜湖じゃなくてキミと付き合ってるって」

ヒロ:「あ…オレこそ言えなくてすんません」

陸:「ううん、ごめんね不安にさせちゃって。でもオレ…ちゃんと吹っ切ったから」

ヒロ:え?

陸:「駿のあんな幸せそうな顔見せられたらね」

ヒロ:わざわざそんなことオレに謝る必要なんかないのに…
いい人なんだよな…

ヒロは陸に深々頭を下げて教室に戻って行った








昼休み 屋上

ガチャ

駿:「ヒロ!」

ヒロが出てくるなり抱きしめる駿

ヒロ:「おい、いきなり…」

駿:「うん、でもこのかっこいいヒロをまず堪能させて」

そう言われて満更でもないヒロ
駿はしばらくヒロを抱きしめヒロを吸っていた


駿:「でもどうして急にイメチェンなんて…」

ヒロ:「…それは駿が…駿がかっこいいから」

駿:「?」

ヒロ:「駿がキラキラしてて眩しくて…そんな駿の隣に堂々と立てる男になりたかった。
駿はいつもこんなオレでもいいと言ってくれてた。だけどオレだって駿に釣り合う男になりたいって
ずっと思ってて…」

駿:「ヒロっ♡」

ガバっ

ギュっと強く抱きしめる駿

駿:「好き! ヒロ大好き」

ヒロ:「…オレも」

ドアの外から二人を見て安心して階段を下りていく亜湖



屋上の隅に座る二人

駿:「こんなにかっこよくなっちゃって…ヒロが元々かっこいいのオレだけが知ってると
思ってたけど、みんなに知れ渡っちゃうね」

駿は愛おしそうにヒロの髪を撫でている

ヒロ:「だって…今までのオレじゃ駿の恋人だって胸張って言えないし」

駿:「そんなことないよ、オレにとってありのままのヒロが誰より魅力的なんだから。
でもオレのために頑張ってくれたヒロも愛おしくてたまらない」

駿はヒロに触れながら優しくキスをする

駿:「ごめんね、重くてめんどくさいヤツで」

首を振るヒロ

ヒロ:「オレだってめんどくささじゃ負けてない」

そう言って駿にキスのお返しをするヒロ
そして見つめ合う二人

駿:「今日一緒に帰ろう」

ヒロ:「ごめん、今日は委員会あって」

駿:「そっかぁ…じゃ夜電話するね」

そう言って駿はヒロの手をギュっと握りしめた