彼氏と偽彼女(ダミー)とオレの事情



カラオケからの帰り3人で帰っている

駿:「でもビックリだったな、陽一も結局 颯大のこと好きだったなんて」

亜湖:「自分の気持ちを確かめるために、女の子といろいろ付き合ってたなんてな」

ヒロ:「やっぱりあの人 男らしいよな、付き合ってすぐ堂々と交際宣言しちゃうなんて…」

駿:「ヒロ?」

ヒロ:「あ…いや、オレには到底マネできないと思って」

駿:「いいんだよ、オレたちはオレたちのやり方で。オレはヒロと付き合えてるだけで満足なんだし」

ヒロ:「オレだって…」

浮かない顔のヒロ

亜湖:「決めた! 私推しカプ変更する!」

ヒロ:「は?!」

亜湖:「だって、実の弟のあれこれより あいつらの方が萌える」

駿:「へえー」

冷たい視線を送る駿

亜湖:「安心しな! 偽彼女(ダミー)は続けてやっから。だけどヒロ、
あんたいつまで隠れてるつもり?」







洗面所で顔を洗うヒロ
鏡を見ながら

ヒロ:さっきのねーちゃんの言葉が頭から離れない
あの二人は、男同士でも普通に祝福されていた
オレだって堂々と駿の隣を歩きたい!
だけど……自信がないんだ…くっそう!

バシャバシャ…

ヒロは苛立ち、水を頭から被る






屋上

駿:「それでさ、あいつら前から仲良かったから回りもみんな応援してて、
でも中にはからかうやつもいるけど陽一がそんなやつ一喝して、それを颯大が
嬉しそうに見てたりして…」

ヒロ:「……よかったよな」

ヒロ:オレたちだったらきっとそうはならない

駿:ん? あれ…ヒロ元気ない? いや、目が合わない
もしかしてまた…

駿:「ヒロ、もしかして陽一たちとオレたち比べてない?」

ドキっ

ヒロ:「え!?」

駿はヒロの前髪を上げ、ほっぺを軽くつねる

駿:「もー、ヒロはすぐ一人で考え込むんだから。この前も言ったけどオレはヒロと
いれるだけで幸せなんだよ。そのまんまの丸ごとのヒロが好きなんだから」

ヒロ:駿…

駿ははにかむヒロを抱き寄せ、背中をポンポン叩いた

駿:「彼らには彼らのやり方があって、オレたちにはオレたちなりの付き合い方がある。
比べる必要も真似る必要もないんだよ」

ヒロ:「…うん…そうだよな、……うん」

ヒロは駿の言葉に納得し、駿の顔をじっと見る

駿:「ん?」

ヒロ:「やっぱ、駿はかっこいいな」

駿:「ホント? 惚れ直した?」

ヒロ:「ああ」

駿:「ヒロ♡」

駿は嬉しそうにヒロをギュっと抱きしめた

ヒロ:駿はいつもこうやってオレを引っ張り上げてくれる
でもその優しさに甘えたままでいいのか?






自分の部屋で鏡を見ているヒロ

バタン!

急にヒロの部屋に入ってくる亜湖

ヒロ:「いきなり開けんなよ!」

ヒロは慌てて鏡を隠す
それを見た亜湖は

亜湖:「ふーん、あんた もしかして私が言ったこと気にしてた?」

ヒロ:「…っ、そうだよ! オレだってコソコソ隠れて付き合ってんの駿に申し訳なくて…」

亜湖:「あいつはそんなこと気にしないと思うけどな」

ヒロ:「駿にもそう言われた。でもオレ駿の隣に堂々と立てる男になりたい!」

亜湖:「ヒロ、よく言った。じゃあ…」

ヒロ:なんだかんだ言ったって ねーちゃんはきっと何かしら手伝ってくれるに違いない

期待を込めながら亜湖の次の言葉を待つヒロ

亜湖:「充電器貸してくれ」

ヒロ:え…

亜湖は充電器を借りるとそのまま部屋を出て行った