バタン!!
大きな音を立て急いで自分の部屋に入るヒロ
亜湖:「ヒロ?」
先に帰っていた亜湖は大きな音に驚く
ヒロはベッドに入り布団を頭から被っていた
ヒロ:今日はホントに最悪だ! 駿にもあんな態度とっちゃうし、篠原には会うし…
くそっ! オレはまたあいつに何も言えなかった
ー 篠原は小学校の時、オレのホクロをからかってきたやつ
あいつのせいでオレはこんな性格になって顔も隠して…
ヒロは布団の中で自分の情けなさに思い詰めていた
ピンポンピンポンピンポン…
亜湖:「なんだよ、うっせーな」
ドアを開けると息を切らした駿が立っていた
駿:「亜湖…ヒロは?」
亜湖:「さっき帰ってきて部屋に入ったきり出てきてない」
駿:「ちょっとごめん」
駿は階段を駆け上がりヒロの部屋のドアを叩く
コンコン
駿:「ヒロ! お願い出て来て! 話をしよう」
亜湖がドアノブを捻ろうとするもカギがかかっていた
亜湖:「ヒロっ! どうしたんだよ、開けろよ」
二人が部屋の前で騒いでいてもヒロの部屋からは物音ひとつしない
亜湖は駿の手を引っ張り自分の部屋へ
亜湖:「何があった?」
駿:「…最近ヒロに避けられてる気がして…つい、問い詰めてしまって」
亜湖:「おまえー、気をつけるよう言っただろ」
駿:「ヒロがオレから離れるかもしれないと思ったら焦っちゃって…」
亜湖:「逆効果だ、バカ! ヒロはああ見えて繊細なんだよ」
そう言って亜湖はヒロの部屋と繋がってるベランダに出た
そして、ヒロの部屋の窓を亜湖はドンドン叩く
亜湖:「ヒロ、あんた前に私の部屋に黙って入ってBLマンガ読んだだろ!
自分は勝手に入って私を入れないなんて…開けないならこの窓叩き割るよ」
ヒロはビクっとし
ヒロ:ヤベっ、部屋入ってたのバレてた…
しかも窓をたたき割る? ねーちゃんならやりかねない
そう思い、布団から出てガラーっと窓を開けた
ヒロの部屋に3人が座っている
亜湖:「どうしたんだよ…駿と別れたいのか?」
ドキっとする駿
ヒロ:「違う! そうじゃないけど……もしかしたら…その方がいいのかも…」
駿:「オレは嫌だ!!」
亜湖:「ヒロ…どうしてそう思った?」
ヒロ:「……自信がないんだ、駿みたいなキラキラしててみんなからも好かれて…
弁護士目指してるようなすごい人の横に立ってるの…」
駿:「ちょっと待ってよヒロ…」
亜湖:ヒロはまだそんなこと…
亜湖:「わかった 私は下にいるから駿、ヒロと とことん話をしてみろ。
おまえがどれほどヒロのこと好きかわからせてやれ」
パーン
亜湖は駿の背中を思い切り叩いて部屋を出て行った
駿:亜湖…痛いよ
ヒロは背中をさする駿をチラと見た
駿:「ヒロ、さっきはキツイ態度とってごめん」
ヒロ:「…オレこそ逃げ出してごめん」
駿:「オレ、ヒロと別れる気なんかないからね」
ヒロ:「……、さっき…昔オレのホクロのことからかったやつに会ったんだ。
だけどオレ…また何も言い返せず、逃げてしまって…」
駿:さっき? もしかしてさっきの男…
ヒロ:「駿はオレのこと、いざとなると男らしいって言ってくれたけど全然そんなことなくて…」
駿:「ヒロ、オレだってヒロが言うほど大した男じゃないよ。亜湖もいつもそう言ってるし」
ヒロ:「いや、ねーちゃんは駿の反応見て楽しんでるというか…」
駿:「思い出してみてよ、ヒロに顔だけって思われてるって落ち込んだり、キスの時だって
情けないとこばかり見せちゃったし…どんくさいし重いし…全然王子じゃないでしょ」
ヒロ:「そんなことない! 駿はいつだってキラキラしててかっこいい…」
そう言ってうつむくヒロ
駿:ヒロ…
駿:「ヒロ、オレはね…そうやって顔を隠してるヒロも、すぐ真っ赤になっちゃうヒロも、
男らしいヒロだって…意外にお姉さん思いなとこだって全部…」
駿はヒロの手を取る
駿:「ヒロはその目のホクロ嫌な記憶しかないかもだけど、オレはそのホクロもヒロの顔も
その中身も…全部全部 丸ごと…ヒロのすべてが好きだよ」
ヒロ:全部って…
真っすぐ自分を好きだと伝える駿の眩しさにヒロは またうつむく
駿:「オレがこんなにヒロのこと好きだって言ってるのにまだ信じられない?」
ヒロ:「いやっ…そうじゃなくて…」
駿:「もう! ヒロはなんでそんなに自分に自信がないんだよっ!
わかった、ヒロのコンプレックスごと全部オレにちょうだい! 気にならないくらいめちゃくちゃ大事にするから」
ヒロ://////…っ、もう王子じゃん!
オレが勝手にひがんで拗ねて距離取って…なのに駿はそんなオレでもこんなに好きだと言ってくれる
無理だ! 駿と離れるなんてオレには絶対無理だ!!
ヒロは駿のことをたまらなく愛しく思い涙があふれる
駿:「ヒロ?」
ヒロ:「オレ、こんなだしこれからも駿を困らせることたくさんすると思うぞ。それでもいいのか?」
駿:「オレだって結構めんどくさいし、ヒロのことに関してはすごく重いよ、束縛するよ、絶対に離さないよ」
ヒロ:「フっ…離さないでくれ、オレがまた迷ったら引っ張り上げてくれ。それができるのは
きっと駿だけだ」
駿の目を見て微笑むヒロ
駿はそんなヒロに吸い寄せられるように唇を重ねた
その頃1階では二人が一緒に降りて来るのを、クッションを抱きしめながら今か今かと待ちわびてる亜湖がいた
