彼氏と偽彼女(ダミー)とオレの事情



学校帰り

駿:「ヒロのクラスは文化祭 何するの?」

ヒロ:「あー…オレんとこはお化け屋敷」

駿:「え! ヒロ怖いの苦手なのに?」

ヒロ:「いや別に…苦手というか…ちょっと怖いだけだ! ちょっとだけな!」

ヒロ:てか、何で知ってる? いつバレた?
まさか ねーちゃん??

ヒロはパっと後ろを振り向く
少し後ろを歩いている亜湖と目が合う
とっさに亜湖は目を反らす

ヒロ:クソっ…最近オレの情報がツーツーのような気がする
チラと見えた駿のスマホのロック画面、オレの寝顔だったし…
あんなの ねーちゃんにしか撮れないはず…
それに…あんなの誰かに見られたらどーすんだよ!

駿:「ヒロ? どうかした?」

ヒロ:「あいや…文化祭、駿のクラスは何すんだ?」

駿:「執事喫茶」

ヒロ:「執事ぃ?!!」

駿:「ああ、オレと陸が受付に立たされるらしい」

ヒロ:うわー! すっげー見たいかも…

ヒロ:「オレ絶対見に行くわ! 連れと一緒なら入れると思うし」

駿:「ホント!? 実はあんまり気乗りしてなかったけど、ヒロが来てくれるなら
頑張っちゃおうかなぁ」

ヒロ:「おう、ガンバレ! でもオレ以外にあんま愛想よくすんなよな」

モジモジしながらそう言うヒロに抱きつく駿

駿:「ヒロ~」

ヒロ:「おいコラ、外でこんなことすんな!」

カシャカシャカシャ…
スマホのシャッター音が鳴り響く
一斉に振り返るヒロと駿
スマホを構えている亜湖

ヒロ:「ねーちゃん!!」

亜湖:「チッ!」

舌打ちをしながら素知らぬ顔をする亜湖

駿:「ねえヒロ、ここじゃ邪魔入るからうちに来ない? 今日は誰もいないし…」

ヒロは亜湖の視線を気にする

駿:「オレはヒロと二人きりになりたい」

駿はヒロの耳元で囁く

駿:「どうする?」

熱い視線で見つめる駿

ヒロ:「……いく」

駿はぱあっと満面の笑みをヒロに見せ、亜湖に手を振り
ヒロを連れて足早に帰って行った

亜湖:くーーっ、駿の家に入り込まれたらなんにも見れないじゃん!

地団太を踏み悔しがる亜湖だった






文化祭 当日

ヒロ:人が来たらボタンを押して脅かす係なんだけど、待機場所も暗くてなんだか怖いな

ガタン

生徒:「キャーー!」

ビクっ

光莉:「まだ向こうの声なのにビックリしたね」

ヒロ:「ああオレはだいじょ…」

ガタン

生徒:「うわっ!!」

ビクっ

カクン

ヒロ:「うぉっ、」

ビクついて足元の段差につまづくヒロ

光莉:「成瀬くん大丈夫?」

スマホの灯を足元に照らす光莉

ヒロ:「ああ、ありがと駒沢」

光莉:「来るよ! せーので押そうね。せーの!」

バーン!

生徒:「キャーー!!」

光莉:「やったー!」

ヒロとハイタッチをし、小声で喜ぶ光莉


ヒロ:何度かやるうちに周りの音や暗さにもだいぶ慣れてきたな

ガタン

亜湖:「ふーん、高校の文化祭にしては良く出来てんじゃん」

ヒロ:え? ねーちゃんの声?

駿:「亜湖、冷静に見過ぎ」

ヒロ:駿?

コツコツコツ…

段々近付いてくる

光莉:「せーの!」

バーン!

駿:「うぉっ…」

ヒロ:「駿!」

小声で囁き、黒幕から手を差し出すヒロ

駿:!

それに気付いた駿はヒロの手を握る

ヒロ:間違いない! これは駿の手だ

手を握り合う二人の様子をニマニマして見ている亜湖