彼氏と偽彼女(ダミー)とオレの事情


駿:「このケーキ美味しいね」

ヒロ:「だろ、お気に入りの店なんだ」

駿:「へー、今度教えてよ」

ヒロ:「いいよ、今度一緒に行ってみっか」

駿:「うん」

駿はキラキラをまといながら嬉しそうに笑った

ヒロ:やっぱいつもの駿だな…オレの気のせいか

ヒロ:「そこのクッキーもらっていいか?」

駿:「うん、もちろん」

そう言ってヒロがクッキーのお皿に手を伸ばすと、お皿を取ろうとした駿の手に触れてしまった

ヒロ:ヤバっ、また顔が赤くなっちまう

ヒロがそう思った瞬間、駿はパっと手を引っ込めてしまう

ヒロ:ん?



その後 二人は映画を見始めた

ヒロ:んん? ちょっと距離遠くないか?

ヒロから離れた場所に座って映画を見ている駿
ジリジリ駿の方に近付くヒロ
そして何気に肩をくっつける

ビクっとして慌ててヒロから離れる駿

ヒロ:「駿?」

駿:「あ…ごめん」

ズーンと落ち込む駿

ヒロ:「ど、どうした?」

駿の様子と どす黒いオーラに慌てるヒロ

駿:「ごめん、なんでもない…気にしなくて大丈夫」

ヒロに向けた笑顔はどことなく引きつっていた

ヒロ:今日の駿、キラキラが不安定なんだよな
光ってたり、ちょっと薄くなってたり…今なんてドヨーンとしてるし

駿:ヤバ

ヒロが不安そうな顔をしてるのに気付いた駿は

駿:「ヒロごめん、もーオレ…情けない…」

駿はズズズーーンと落ち込んでいた

ヒロ:「駿、オレこんなで役に立たないかもだけど、なんかあったならちゃんと言ってくれ」

駿:ヒロ!

駿:「不安にさせてごめん……っ、白状する…いつもは流れと勢いで迫ってたけど、いざ今日こそ
キスするぞって思ったらテンパっちゃって…」

ヒロ:駿…

駿:「この前 覚悟してきてなんてかっこつけたこと言っちゃったけど、オレいざって時に
ヘタレなとこあって…ほんと情けない」

駿はどす黒いオーラをまとい、ズーーーンとヘコんでいた

ヒロ:そっか、緊張してたのはオレだけじゃなかったのか…
オレは流れで駿に任せていればいいって、駿 任せにしてた

駿の本音を聞けたヒロは安心して、自分から駿に抱きつく

駿:「ヒロ?」

ヒロ:「駿、オレ…そんな完璧過ぎない駿のことも好きだよ」

駿:「ヒロ…」

ヒロのその優しさがぶわっと駿の心に突き刺さる

そして二人は見つめ合い自然に唇を重ねた

ヒロ:ああ…心が満たされていく
好きな人とキスをするってこんな気持ちなんだ

そして二人は見つめ合い微笑み合う

駿:「フフっ…ホントいざとなるとヒロは男らしいな」

ヒロ:「そうか?」

真っ赤な顔をしているヒロ

駿:「うん、惚れ直した」

そう言って駿はもう一度ヒロに優しくキスをする

ヒロ:オレだって…
言葉や態度もだけど、キスでも とてもオレのこと大事に思ってくれるの伝わる
駿…大好きだ

ヒロの思いが伝わり駿のどす黒いオーラはすっかりはれ、
もとのキラキラオーラを眩しいくらい放っていた