次の瞬間、ヒロは何かを感じ木の向こうに視線をやる
ヒロ:「駿、ちょ離れろ」
駿:「ヒロ?」
ヒロに胸を押され駿は悲しそうな顔をする
ヒロ:「ねーちゃん!!」
ヒロの言葉で駿も振り返る
亜湖:「ヒロ、視力良過ぎ…って前髪上げてるからよく見えんのか」
駿:「亜湖っ! なんでいつもいつも邪魔するんだよ!」
亜湖:「私だって邪魔したいわけじゃ…ヒロが目ざといから…」
駿:「今度こそヒロとキスできると思ったのに…」
ヒロ:なっ…
真っ赤になったヒロは思わず口を押える
亜湖:「駿、心の声が漏れてヒロに聞かれてんぞ」
駿:「あ…ごめん、でもオレの正直な気持ちだから」
ヒロ:キスぅ…駿キスって言った
それってあれだろ、口と口をくっつける…
戸惑ってるヒロに
駿:「次会うときは覚悟決めて来てね」
駿はコソっと耳打ちする
ヒロ:え? え? え~~~!!!
ヒロは耳まで真っ赤になった
亜湖:「おい、ヒロに何言ったんだ?」
駿:「亜湖には内緒」
亜湖:「ふ~ん、駿あんた私にそんな態度とっていいの? ヒロと夏祭りに行きたいって言うから、
みんなで行けるよう計画したのは私だよ」
ヒロ:「ねーちゃんが計画してくれたのか! サンキュー、おかげで駿の浴衣姿も見れたし夏のいい思い出ができた」
亜湖:「ヒロ! あんたは素直だねぇ。よし折角だから私が二人の写真を撮ってやるよ」
ヒロ:「え!? それはちょっと恥ずかしいというか…なあ、駿」
と、駿を見ると着崩れた浴衣を直し、写真を撮る気満々の顔
そしてヒロの隣に立つと嬉しそうに微笑んだ
ヒロ:ねーちゃんに撮ってもらうなんて気恥しいだけだけど
駿が嬉しそうにしてんのはオレだって嬉しいんだよな
亜湖:「はい撮るよ」
カシャ
駿:「ごめん、遅くなった」
颯大:「何してたんだよ、もう始まるぞ」
陸:「駿、こっち座れ」
陸が隣へと促す
駿:「ありがと陸、ヒロっ」
駿はヒロに手招きする
颯大:「ヒロくんはこっちおいで。ほら、二人は付き合い始めたばかりなんだから、
あんまり邪魔したらダメだよ」
そう言って、自分の方にヒロを呼び寄せる颯大
亜湖:颯大のやつ余計なことを…
仕方なしに駿の隣に座る亜湖
ヒューーン……ドーン
花火が上がり始めた
振り返りヒロを気にする駿に
ヒロ:『キレイだな』
口パクでそう伝え、笑顔で空を見上げるヒロ
ヒロの笑顔に安心した駿も前を向いて花火を見始める
ヒロ:花火は離れてみることになったけど、キラキラを放つ駿の上に花火
…キレイだな
駿の浴衣も見れたし、屋台も楽しかった
駿との思い出がまた一つ増えたな
ヒロは満足そうに夜空を見上げていた
