ファインダー越しの瀬川くん

ガタッと音がして視線を上げると、突然立ち上がった瀬川が内緒話をするようにぐっと顔を寄せる。

「山内さんが撮ってくれるから好きなんだ」

耳をくすぐるその声に、くすぐったくて身をよじる。

「あー、また瀬川が山内さんとイチャついてるー」

明らかに冷やかし混じりのその声に慌てて視線を動かすと、ドアの前に立ってニヤニヤ笑う三人のクラスメイトの姿が見えた。

「イ、イチャついてたとかそんなんじゃ……!」

「邪魔しちゃってごめんね、山内さん。もっと時間かけて戻ってくればよかったね」

「だから違うのこれは!」

楽しげな笑い声は三人分、そこに瀬川の苦笑が混じる。

「山内さん困らせるのもいい加減にしろよー」

「だってよ。瀬川が邪魔されて怒ってるぞ」

「しょうがない、じゃあこの話は場所を変えてってことで」

「ハンバーガーがいいか、カラオケがいいか。カラオケだったらポテト必須な!」

騒がしいクラスメイト達に駆け寄った瀬川が、振り返って座り込んだままの山内を手招く。

「行こう、山内さん」

慌てて鞄を掴んだ山内も、クラスメイトと瀬川の元へと駆けて行く。