じりじりと暑い日差しが、俺を刺すようだった。こめかみから垂れた汗が首筋を通り、背中へと流れていく。


 ゆっくりと足を前に動かし、あてもなく歩く。どこへ行きたいのか、なにがしたいのか、もうわからなかった。


 あの日聞いた、あの声が忘れられない。俺を形作っていたその声の主はもうどこにもいない。


 なあ【   】、教えてくれ。俺は、どうすればよかったんだろう。


 おまえも俺も、この時代に生まれて不幸だったんだろうか。


 だれも、答えてはくれない。