無事に各所での確認を終え、私は先日も着替えをした王城内の更衣室に案内された。
シルバとスラちゃんはニース様のところに行き、更衣室には他の王族の女性が集まっていた。
「不審なものがないのは良かったわ。問題はダンス時かと思うわ」
私の隣で髪をセットしてもらっている王太子妃様も、ルーカス様を諦めてないものがいるという。
式典中は何も問題を起こさないだろうと言っていたけど、そもそもどんな
人なのだろうか。
ダイン様も注意人物だと言っていたなあ。
「単純に、ルーカスのことが好き過ぎてストーカー気味になっているのよ。それがなければ、普通にいい子なんだけどね」
王妃様、ストーカー気味ってだけでもかなり不穏な情報なんですけど。
しかも、侯爵家の令嬢で家柄もよく普通にしていればまさに貴族の女性って感じらしい。
流石にルーカス様もそのストーカー癖にはいい感情を持っておらず、何回か面と向かって注意をしたという。
そういう経緯もあり、王家はその女性をルーカス様の婚約者候補とせず、ルーカス様自身もいい気分ではないという。
「リンは、自分の気持ちを押し付けずに相手を支えるわ。だからこそ、多くの人に愛されるのよ」
「そうじゃのう。相手のことを考えて接するから、妾たちも安心して接することができるのじゃ。あのものには、そういう考えは無理じゃろう」
おおう、王太子妃様とマリア様がその女性をボコボコに評価しているよ。
うん、今日は相手を刺激しないように充分に気をつけよう。
「リンは、基本的に私たちの側にいればいいわよ。王家だけでなく、ノルディア公爵家、グローリー公爵家の加護下にあると分かれば、流石に相手も無謀な行動を取ることはないわ」
王太后様の近くにずっといる訳にはいかないけど、この際だからご厚意には甘えておこう。
こうして、談笑しながらもドレスアップは進み、今度は大部屋近くの控室に向かった。
「ルーにーに、かっこいい!」
「ウォン、ウォン!」
「はは、ありがとうな」
応接室で少し談笑していると、着替えを終えたルーカス様がアーサー様と共に入ってきた。
ニース様やシルバが、ルーカス様を見て大興奮するのもよく分かる。
服装は前にも見た王家が式典に参加する際に着用する豪華な貴族服なのだが、なんというか今日のルーカス様から溢れる王子様オーラが半端なかった。
「ルーカス様、とてもお綺麗です。よく似合っております」
「ありがとう。リンにそう言ってもらうと、とても嬉しいよ」
ルーカス様、輝くような王子様スマイルでそんなセリフを言うのは反則ですよ。
思わず顔を赤くして、下を向いちゃったではありませんか。
うう、最近ルーカス様耐性を身につけたと思ったのに……
「「「ニヤニヤ」」」
王太子妃様、マリア様、そしてこのタイミングで合流したフレイア様、そのニヤついた笑いは流石にやめて下さい。
何が何だか分からないでいるニース様の悪い教育になりますよ。
アメリア様はというと、仕方ないねという王妃様と似たようなリアクションだった。
「ちなみに、あの令嬢は今日もやってくる。前にもキッパリと断ったけど、それでも諦めていないようだ。本人はまだ未練があるようだがな」
ルーカス様は、小さなため息をつきながら席についた。
どうやら、ルーカス様自身にその令嬢への恋愛感情は本当にないらしい。
となると、ルーカス様を殺して私も死ぬというドラマみたいなことを警戒しないといけない。
「シルバ、スラちゃん、今日はニース様だけでなくルーカス様の護衛にもついてあげてね」
「ウォン!」
調子のいいシルバはともかくとして、スラちゃんは任せろと触手をふりふりしながら返事をした。
スラちゃんがキチンとしていればきっと大丈夫だろうと思ったのは、私だけではないみたいだ。
既に、王家全員の信頼を得ているみたいですね。
その後もみんなで時間前まで話をして時間を過ごし、先ほどのドキドキした気持ちも何とか収まったのだった。
シルバとスラちゃんはニース様のところに行き、更衣室には他の王族の女性が集まっていた。
「不審なものがないのは良かったわ。問題はダンス時かと思うわ」
私の隣で髪をセットしてもらっている王太子妃様も、ルーカス様を諦めてないものがいるという。
式典中は何も問題を起こさないだろうと言っていたけど、そもそもどんな
人なのだろうか。
ダイン様も注意人物だと言っていたなあ。
「単純に、ルーカスのことが好き過ぎてストーカー気味になっているのよ。それがなければ、普通にいい子なんだけどね」
王妃様、ストーカー気味ってだけでもかなり不穏な情報なんですけど。
しかも、侯爵家の令嬢で家柄もよく普通にしていればまさに貴族の女性って感じらしい。
流石にルーカス様もそのストーカー癖にはいい感情を持っておらず、何回か面と向かって注意をしたという。
そういう経緯もあり、王家はその女性をルーカス様の婚約者候補とせず、ルーカス様自身もいい気分ではないという。
「リンは、自分の気持ちを押し付けずに相手を支えるわ。だからこそ、多くの人に愛されるのよ」
「そうじゃのう。相手のことを考えて接するから、妾たちも安心して接することができるのじゃ。あのものには、そういう考えは無理じゃろう」
おおう、王太子妃様とマリア様がその女性をボコボコに評価しているよ。
うん、今日は相手を刺激しないように充分に気をつけよう。
「リンは、基本的に私たちの側にいればいいわよ。王家だけでなく、ノルディア公爵家、グローリー公爵家の加護下にあると分かれば、流石に相手も無謀な行動を取ることはないわ」
王太后様の近くにずっといる訳にはいかないけど、この際だからご厚意には甘えておこう。
こうして、談笑しながらもドレスアップは進み、今度は大部屋近くの控室に向かった。
「ルーにーに、かっこいい!」
「ウォン、ウォン!」
「はは、ありがとうな」
応接室で少し談笑していると、着替えを終えたルーカス様がアーサー様と共に入ってきた。
ニース様やシルバが、ルーカス様を見て大興奮するのもよく分かる。
服装は前にも見た王家が式典に参加する際に着用する豪華な貴族服なのだが、なんというか今日のルーカス様から溢れる王子様オーラが半端なかった。
「ルーカス様、とてもお綺麗です。よく似合っております」
「ありがとう。リンにそう言ってもらうと、とても嬉しいよ」
ルーカス様、輝くような王子様スマイルでそんなセリフを言うのは反則ですよ。
思わず顔を赤くして、下を向いちゃったではありませんか。
うう、最近ルーカス様耐性を身につけたと思ったのに……
「「「ニヤニヤ」」」
王太子妃様、マリア様、そしてこのタイミングで合流したフレイア様、そのニヤついた笑いは流石にやめて下さい。
何が何だか分からないでいるニース様の悪い教育になりますよ。
アメリア様はというと、仕方ないねという王妃様と似たようなリアクションだった。
「ちなみに、あの令嬢は今日もやってくる。前にもキッパリと断ったけど、それでも諦めていないようだ。本人はまだ未練があるようだがな」
ルーカス様は、小さなため息をつきながら席についた。
どうやら、ルーカス様自身にその令嬢への恋愛感情は本当にないらしい。
となると、ルーカス様を殺して私も死ぬというドラマみたいなことを警戒しないといけない。
「シルバ、スラちゃん、今日はニース様だけでなくルーカス様の護衛にもついてあげてね」
「ウォン!」
調子のいいシルバはともかくとして、スラちゃんは任せろと触手をふりふりしながら返事をした。
スラちゃんがキチンとしていればきっと大丈夫だろうと思ったのは、私だけではないみたいだ。
既に、王家全員の信頼を得ているみたいですね。
その後もみんなで時間前まで話をして時間を過ごし、先ほどのドキドキした気持ちも何とか収まったのだった。


