翌日から、私の一日のやるべきスケジュールが決まった。
午前中はアメリアさんと共に今回の魔物溢れで手足を切断した兵への治療を行い、午後から社交ダンスの訓練を始めることになった。
怪我人は数人なので全く問題なく、場合によってはスラちゃんとシルバだけでもいいといった。
しかし、流石に初日なので私も顔を出した方がいいと思った。
服装はいつもの治療兵の服で良いそうなので、着替えて馬車に乗って軍の施設に向かった。
「リンさん、休暇を取らずに治療に来て体調は大丈夫ですか?」
「ウォン!」
いつもの軍の施設の事務棟でアメリアさんと落ち合ったのだけど、私に会うなり体調を心配してくれるアメリアさんはまさに聖女様といった感じだ。
シルバがアメリアさんに問題ないよと元気よく返事をしていたけど、実際に体調は問題なかった。
「昨日一昨日は治療だけしていましたので、逆に少しゆっくりできました。体調は全く問題ないですよ」
「それならいいですわ。何かありましたら、直ぐに言ってくださいませ」
アメリアさんは破壊力抜群の笑みを私に向けたけど、その笑みに慣れるくらい私もアメリアさんとの付き合いが長くなったんですね。
今日もシルバはアメリアさんの護衛を頑張ると、尻尾をブンブンと振りながらアメリアさんの側に行った。
スラちゃんもシルバの頭の上に乗っているが、先に重傷者の治療をするのでスラちゃんが治療をするのはもう少し先の予定だ。
では、さっそく重傷者のいる個室に向かいましょう。
「しかし、リンはやっぱり化け物みたいな強さだったな。シルバとスラちゃんも凄かったが、リンは群を抜いて強かった。じゃなきゃ、たとえミスリル製の剣を手にしたところでオークキングには勝てないだろうな」
左腕を肘から先で切断した兵を治療したけど、どうやら私の戦いはかなり凄かったと兵の間で話題になっているという。
そして、戦闘だけでなくアメリアさんと一緒なら失った手足の再生までできるという治癒師としての側面もあった。
私たちが治療して元気になった兵が嬉々として私の武勇伝を身振り手振りを交えて話すので、アメリアさんはその度に凄いと私の事を褒めてくれた。
うん、何だかこそばゆい気持ちだが、シルバとスラちゃんも何も間違っていないよとウンウンと頷いていた。
そんなこんなで治療を続けていたら、なんと今日だけで重傷者の治療を終えてしまった。
「明らかに、リンさんの魔力が上がっていますわ。そのお陰で、私も魔力消費量を抑えられました」
アメリアさん曰く、私の魔力は初めて会った時よりも格段に上がっていて制御力も向上しているという。
まあ、あれだけ激しい戦闘をしたのだから、魔力関連も向上しそうだ。
結局シロちゃんも全く魔法を使わなかったので、このまま軽傷者の治療に移った。
すると、スラちゃんが左手の小指を切断してしまった負傷兵の治療を始めたのだ。
シュイン、シュイン、ぴかー!
「なんじゃこりゃー!」
負傷兵が自分の左手を見て叫ぶのも納得だった。
なんと、スラちゃんが回復魔法と聖魔法を同時に発動して負傷兵の小指を再生していたのだ。
スラちゃん曰く、ちょっと試してみたかったらしい。
いや、試すとかいうレベルじゃない気がするよ……
「スラちゃん、オークキングを含むものすごい数の魔物の血抜きをしていたもんなあ……」
「しかも、オークキングは二匹目でしたわよね。うーん、スラちゃんに治癒師として負けた気分ですわ……」
私とアメリアさんは、その後も軽傷者の治療をするスラちゃんを見て敗北感を感じていた。
そういえば、スラちゃんはフェンリルの血も吸収していたんだっけ。
私は、下手するとスラちゃん一匹でオークキングを倒せるのではと本気で思ってしまったのだった。
午前中はアメリアさんと共に今回の魔物溢れで手足を切断した兵への治療を行い、午後から社交ダンスの訓練を始めることになった。
怪我人は数人なので全く問題なく、場合によってはスラちゃんとシルバだけでもいいといった。
しかし、流石に初日なので私も顔を出した方がいいと思った。
服装はいつもの治療兵の服で良いそうなので、着替えて馬車に乗って軍の施設に向かった。
「リンさん、休暇を取らずに治療に来て体調は大丈夫ですか?」
「ウォン!」
いつもの軍の施設の事務棟でアメリアさんと落ち合ったのだけど、私に会うなり体調を心配してくれるアメリアさんはまさに聖女様といった感じだ。
シルバがアメリアさんに問題ないよと元気よく返事をしていたけど、実際に体調は問題なかった。
「昨日一昨日は治療だけしていましたので、逆に少しゆっくりできました。体調は全く問題ないですよ」
「それならいいですわ。何かありましたら、直ぐに言ってくださいませ」
アメリアさんは破壊力抜群の笑みを私に向けたけど、その笑みに慣れるくらい私もアメリアさんとの付き合いが長くなったんですね。
今日もシルバはアメリアさんの護衛を頑張ると、尻尾をブンブンと振りながらアメリアさんの側に行った。
スラちゃんもシルバの頭の上に乗っているが、先に重傷者の治療をするのでスラちゃんが治療をするのはもう少し先の予定だ。
では、さっそく重傷者のいる個室に向かいましょう。
「しかし、リンはやっぱり化け物みたいな強さだったな。シルバとスラちゃんも凄かったが、リンは群を抜いて強かった。じゃなきゃ、たとえミスリル製の剣を手にしたところでオークキングには勝てないだろうな」
左腕を肘から先で切断した兵を治療したけど、どうやら私の戦いはかなり凄かったと兵の間で話題になっているという。
そして、戦闘だけでなくアメリアさんと一緒なら失った手足の再生までできるという治癒師としての側面もあった。
私たちが治療して元気になった兵が嬉々として私の武勇伝を身振り手振りを交えて話すので、アメリアさんはその度に凄いと私の事を褒めてくれた。
うん、何だかこそばゆい気持ちだが、シルバとスラちゃんも何も間違っていないよとウンウンと頷いていた。
そんなこんなで治療を続けていたら、なんと今日だけで重傷者の治療を終えてしまった。
「明らかに、リンさんの魔力が上がっていますわ。そのお陰で、私も魔力消費量を抑えられました」
アメリアさん曰く、私の魔力は初めて会った時よりも格段に上がっていて制御力も向上しているという。
まあ、あれだけ激しい戦闘をしたのだから、魔力関連も向上しそうだ。
結局シロちゃんも全く魔法を使わなかったので、このまま軽傷者の治療に移った。
すると、スラちゃんが左手の小指を切断してしまった負傷兵の治療を始めたのだ。
シュイン、シュイン、ぴかー!
「なんじゃこりゃー!」
負傷兵が自分の左手を見て叫ぶのも納得だった。
なんと、スラちゃんが回復魔法と聖魔法を同時に発動して負傷兵の小指を再生していたのだ。
スラちゃん曰く、ちょっと試してみたかったらしい。
いや、試すとかいうレベルじゃない気がするよ……
「スラちゃん、オークキングを含むものすごい数の魔物の血抜きをしていたもんなあ……」
「しかも、オークキングは二匹目でしたわよね。うーん、スラちゃんに治癒師として負けた気分ですわ……」
私とアメリアさんは、その後も軽傷者の治療をするスラちゃんを見て敗北感を感じていた。
そういえば、スラちゃんはフェンリルの血も吸収していたんだっけ。
私は、下手するとスラちゃん一匹でオークキングを倒せるのではと本気で思ってしまったのだった。


